
平沼騏一郎と近代日本
官僚の国家主義と太平洋戦争への道
プリミエ・コレクション 83
萩原 淳
2016年12月26日
京都大学学術出版会
6,050円(税込)
人文・思想・社会
平沼騏一郎は大正・昭和戦前期にかけて法相・首相・重臣などを歴任した官僚系政治家でありながら、国家主義運動の指導者でもあったという点で、日本近代史の中できわめてユニークな位置を占めている。その政治的生涯の全容を初めて実証的に明らかにし、官僚系の政治家の国家主義とそれらが太平洋戦争への道に与えた政治的影響を解明する。 序 論 官僚系政治家の国家主義を問い直す (一)今、なぜ平沼騏一郎を問題にするのか (二)平沼騏一郎はどのように論じられてきたのかー問い直すべき課題 (三)平沼騏一郎に関する史料について 第1部 平沼騏一郎の政治的台頭と政治指導 第一章 司法省における権力確立と立憲政友会 一 司法官増俸要求事件ー出世の契機 二 欧州における司法制度調査の経験 三 新刑法の施行と検察権台頭の波紋 四 一九一三年司法部改革の政治過程 第二章 検事総長期の政治戦略と政治観 一 シーメンス事件・大浦事件での検察権運用 二 第一次世界大戦期における思想問題への対応 第三章 原敬内閣との協調と思想問題への危惧 一 人権問題への認識と対応 二 司法部改革への積極的協力とその背景 三 第一次世界大戦後の思想問題への対応 四 司法官僚としての一応の成果と迷走の幕開けー小括 第四章 政党内閣下における政治構想と政治運動ー政治戦略としての国家主義 一 治安立法・普通選挙法の推進 二 政治家への転身にあたっての政治戦略 三 立憲政友会への協力とその政治的波紋 第五章 組閣への自信と平沼内閣運動の誤算 一 政党内閣への失望とロンドン条約反対の要因 二 平沼内閣運動における政治構想とその問題点 第六章 首相としての政治指導とその限界 一 平沼内閣の成立と内政指導 二 対米工作と防共外交の迷走 三 国家主義を掲げた政治勢力の統合と政治指導の限界ー小括 第七章 重臣としての活動と太平洋戦争 一 共産主義への対抗と対米交渉の誤算 二 太平洋戦争中の政治工作と和平をめぐる混乱 第八章 東京裁判とA級戦犯としての死去 一 GHQによる逮捕とその要因 二 東京裁判への対応とA級戦犯としての死去 第2部 平沼騏一郎をめぐる組織と人脈 第一章 「平沼閥」と大正・昭和初期の司法・政治関係 一 司法部における平沼の台頭と「平沼閥」の形成 二 立憲政友会との協調と「平沼閥」の全盛 三 平沼の法相辞任と「平沼閥」の残存 四 政党内閣崩壊後の司法部と「平沼閥」の衰退 五 長期にわたり残存した平沼の影響力と検事を中心とする人脈ー小括 第二章 国本社の政治思想 一 第一次国本社の人脈と政治思想 二 国本社の改組とロンドン条約問題以前の国本社の政治思想 三 「ファッショ」批判と国本社の解散 四 平沼の政治行動・政治思想と強く連関した「国本」の論調ー小括 結 論 近代日本において平沼騏一郎とは何だったのか 注 あとがき 索 引
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