
現代中国政治第3版
グローバル・パワーの肖像
毛里和子
2012年5月31日
名古屋大学出版会
3,080円(税込)
人文・思想・社会
社会主義大国からグローバル・パワーへ。建国60年、改革開放30年の激動をへて、世界有数の大国へと変貌した中国。毛沢東から胡錦涛へと至る政治の巨大な変容を、長年の研究により包括的に叙述、かつてない繁栄を迎えたかに見える大国の新たな肖像を描き出す。第一人者による最も信頼の厚い解説書、大幅改訂による待望の最新版。
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(無題)
中国人で早稲田大学で教鞭をとる著者が現代の中国政治を概観した本です。中国は、共産党による一党支配のもとで急速な経済成長を続けていますが、その政治体制はどのようなもので、改革開放路線によりどんな変化が生じているのでしょうか。本書は、中国の統治のしくみを解説しながら、「開発独裁」論の視点から現在の中国政治のダイナミズムをとらえようとする意欲作です。「開発独裁」とは、経済成長を最優先にし、社会秩序の安定化のために人びとの自由を制限する独裁体制のことです。現在の中国は、まさにこうした体制であると著者はいいます。 中国の憲法上の最高機関とされるのは、全国人民代表大会ですが、実質的には中国共産党が政策決定に大きく関わっています。その中にあって、民衆の声を代弁して批判する人民代表も増えていると本書は伝えています。 中国では「民営化」の行政改革が進行中というのが興味深いところです。国営化された企業が非効率的なのはどこの国でも事情は同じで、テレビ局などのマスコミや、出版社、印刷会社、書店などの多くが民営化されたようです。中国人のビジネスセンスはもともと優れていますから、民営化してこそ活力が生まれるというものです。 一方で、中国は「法治国家」ないしは「法による支配」という考え方は非常に立ち遅れています。一党独裁によるトップダウン体制を維持する限り、そこに恣意性が入り込むおそれがあります。法律は国民を守るものではなく、拘束するものという発想が抜けきれない限り、法治国家への道のりは険しいでしょう。
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