
胃袋の近代
食と人びとの日常史
湯澤 規子
2018年6月27日
名古屋大学出版会
3,960円(税込)
人文・思想・社会
人びとは何をどのように食べて、空腹を満たしてきたのか。一膳飯屋、残飯屋、共同炊事など、都市の雑踏や工場の喧騒のなかで始まった外食の営みを、日々生きるための〈食〉の視点から活写、農村にもおよぶ広範な社会と経済の変化をとらえ、日本近代史を書き換える。 序 章 食と人びと -見えない歴史の構築ー 1 食と人びとの日常史 2 近代の都市と人口と胃袋ーー見取り図 3 外で飯食う事ーー知らぬ火の食事 4 社会問題は胃の問題ーー罪と胃袋 第1章 一膳飯屋と都市 -胃袋からみる近代日本の都市問題ー 1 十銭玉一つの飯どんぶり 2 舌で書く食堂経済学ーー石角春之助 3 「天下の台所」の近代台所事情ーー大阪市の一膳飯屋調査 第2章 食堂にみる人びとの関わり -食をめぐる政治と実践ー 1 都市労働者問題と民営食堂 2 胃袋に対する行政の関与 3 市営食堂その後 4 「地域」社会事業と実務家のネットワーク 第3章 共同炊事と集団食のはじまり -工場の誕生と衣食住の再編ー 1 工場食の世界 2 共同炊事のはじまり 3 食と「地域」社会事業 4 共同炊事による胃袋の連帯 5 胃袋と企業・国家・科学 第4章 胃袋の増大と食の産業化 -大量生産・大量加工時代の到来ー 1 食の産業化ーー大量生産と大量加工 2 漬物と近代 3 工場・女工・漬物・肥料 4 蔬菜栽培の発展と漬物屋の増加 5 軍需と家庭ーー戦下の漬物樽 第5章 土と食卓のあいだ -食料生産の構造転換と農民・農家・農村ー 1 農村と都市のあいだ 2 農村の変化と青年たち 3 米と繭と新しい商品作物 4 土と食卓のあいだーー「百姓」から「農家」へ 第6章 台所が担う救済と経済 -公設市場・中央卸売市場の整備ー 1 食の交換と分配 2 胃袋と都市の台所 3 中央卸売市場の誕生ーー救済政策から経済政策へ 第7章 人びとと社会をつなぐ勝手口 -市場経済が生んだ飽食と欠乏ー 1 勝手口からみる歴史 2 『残食物需給ニ関スル調査』 3 食べものの洪水と空っぽの胃袋 4 食堂の勝手口から地域社会へ 終 章 胃袋からみた日本近代 -食と人びとをつなぐ地域の可能性ー 1 胃袋の孤立化と集団化 2 食と人びとと地域の日常史 3 人びとをめぐってーー民衆と他者 4 胃袋の現代へーー日々食べるということ 注 あとがき 参考文献 図表一覧 索 引
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