図解カーメカニズム パワートレーン編

高根 英幸 / 日経Automotive

2017年3月25日

日経BP

3,850円(税込)

科学・技術

直噴エンジンからターボチャージャー、ハイブリッドシステムまで 基礎から最新動向まで解説 本書「図解カーメカニズム」は、日経Automotive での好評連載「カーメカニズム基礎解説」を再編集したものである。同連載は、自動車ジャーナリストの高根英幸氏が執筆した。本誌ではモノクロの記事だったが、本書ではカラー化して、より分かりやすくしている。 近年、自動運転をはじめとしたカーエレクトロニクス分野の技術進化は著しく、大きく取り上げられている。一方で、エンジンやハイブリッドシステム、変速機など機械部品に特化した情報は限られていた。クルマは約3万点の部品で作られており、依然としてエンジンや変速機は進化しているし、重要な役目を果たしている。本書を読めば、パワートレーンに関する基礎的なメカニズムや、より理解を深めるためのポイントがつかめるだろう。 本書は「エンジン」および「ハイブリッドシステム」、「変速機」、「シャシー」で構成する。 第1章のエンジンでは、最近の主流である直噴エンジンからターボチャージャー、吸気バルブの開閉タイミング・リフト量を可変にする技術、EGR(排ガス再循環)を解説する。燃料を効率良く燃焼させて燃費を向上させつつ、排ガスの排出量を抑える取り組みが進んでいる。 第2章のハイブリッドシステムでは、トヨタ自動車が1997年に発売した世界初の量産ハイブリッド車「プリウス」について、初代から現行の4代目まで進化を詳細に述べる。ホンダや日産自動車、三菱自動車など日本メーカーだけでなく、ドイツDaimler 社やBMW社など欧州メーカーまで各社のシステムの違いを解説する。 第3章の変速機は、手動変速機(MT)ベースのDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)や無段変速機(CVT)を取り上げる。走りを重視する欧州ではDCTが支持されている。一方の日本は燃費低減効果の高いCVTが多い。米国では安定して変速する自動変速機(ステップAT)が支持されている。地域によって好みは異なるが、今後は電動化の波の中で生き残りをかけた戦いが待ち受けている。 第4章は、ブレーキやステアリング、サスペンションなどシャシー(足回り)を取り上げる。最近では、ESC(横滑り防止装置)の役割が高まっている。自動ブレーキの機能に加えて、片側のタイヤに制動力をかけることでコーナーで車体の進行方向を変えやすくするトルクベクタリング機能も注目だ。 電動パワーステアリング(EPS)は、操舵力を支援するモーターの位置に応じて、コラム式、ラック式、ピニオン式がある。それぞれにメリットと課題がある。EPSは、将来の自動操舵を実現するためにも今後、ますます重要な役目を担っていく。

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