南国群狼伝

天下泰平の世、豊臣家を裏切って徳川幕府についた大名家の夫人や娘たちを犯し、その下腹に「ゆめおとこ」の絵文字を残してゆく忍者「影」。彼に従う故真田幸村の老党赤猿佐助。二人の全に出没する密輸商湊屋久右衛門、宿運の浪人不破伝次郎と兵藤貢、美貌の斎の宮ー。歴史の裏側で暗躍する男女の愛憎をおりまぜて、舞台は江戸から天草へ。切支丹一揆に加担した「影」と赤猿佐助の目に映ったものは…。壮大なスケールで描く傑作伝奇時代小説。