Room no.1301(#4)

富士見ミステリー文庫

新井輝

2004年12月31日

富士見書房

616円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

夏は、まだつづいていた。終わらない、ぎらぎらとした日差しが健一を照らし続ける。陽炎が立ち上る道は、どこか現実ではないような、白昼夢のようなけだるい感覚を起こさせる。こころが、どこかに行ってしまったー。そしてホタルもー。健一は、思った。それは、自分の所為かもしれなかった。ホタルと健一は、お互いを求め合った。ただ、本能の赴くままに。好きという自分たちのこころに、素直に従っただけだった。だが、それは、二人の別離へとつながっていく。少しずつ変化していく健一の日常。そして新たにシーナと名乗るマンションの鍵の所有者が現れる…。時に可笑しく時に切なく描かれる、恋と愛との間で揺れ動く健一の物語、第四弾。

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