Room no.1301(しょーとすとーりーず・つー)

富士見ミステリー文庫

新井輝

2006年3月31日

富士見書房

594円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

健一はなんとなく迷っていた。目の前の少女ー綾は、胸をさわってと自分に迫る。でも、電車の中でそんなことをするってのは、痴漢ってことで、もし見つかったりしたらどうなることやらだし。でも、えええい!「あ、ん…。足がガクガクしちゃって立っていられない…」綾の嗚咽とも言えない、吐息に健一の脳の回路は少く薄ぼんやりと煙る。き、気持ちいいのかな?冴子がいない13階での少し味気ない日常。日奈と女の子たちが連れだってお風呂へと。そして、冴子のアルバイト先でのエピソード。少年と少女たちの空虚なため息や、嬉しさの息吹は、思い出となって積み重なっていく。本編では語られないエピソードを健一とその仲間たちの視点から描く。時に可笑しく、時に切ない健一の恋愛を探求する物語。短編集第二弾。

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