真宗の往生論

親鸞は「現世往生」を説いたか

小谷 信千代

2015年6月20日

法藏館

4,180円(税込)

人文・思想・社会

親鸞が「現世往生」を説いたと理解してきた大谷派近代教学の問題点を、近代仏教学の実証的な手法を用いて指摘する挑戦的な一冊。 はじめに 序章 第一章 世親の往生論  一 論題「無量寿経優波提舎願生偈」について  二 『浄土論』の著者世親  三 浄土と荘厳仏土  四 『浄土論』に説かれる五念門   1 幡谷説 『大乗荘厳経論』述求品所説の五瑜伽地に基づく   2 大竹説 『大乗荘厳経論』教授品所説の止観の修習法に基づく   3 幡谷・大竹説の相違点と共通点  五 瑜伽行唯識派の修習法  六 別時意説再考  七 『浄土論註』に説かれる往生行  八 不退転と正定聚の階位   1 原始経典に見える正定聚と不退転   2 部派の論書に見える正定聚と不退転   3 大乗経典に見える正定聚と不退転   4 『十住毘婆沙論』に見える正定聚と不退転    a 信方便易行の信    b 仏身観の加行としての称名(念仏即称名)    c 方便となる信は信受    d 「現生不退」「即得往生」の淵源   5 『浄土論註』に見える正定聚と不退転    a 龍樹の教説の継承    b 無生の生    c 無生の「生」を無生法忍の「生」とする解釈  九 一法句とは何か   1 句を依事・依処とする山口説   2 経典の用例からの再検討   3 『浄土論』「広・略」説の観点からの再検討   4 『大乗荘厳経論』世親釈からの考察  十 『浄土論』所説の往生行概観   1 願生偈    a 帰敬偈    b 造論の趣旨    c 仏国土の功徳荘厳    d 仏の功徳荘厳    e 菩薩の功徳荘厳    f 廻向偈   2 論    a 五念門(第二節「起観生信」)    b 観察門広説(第三節「観察体相」)    c 廻向門広説   3 五念門を法蔵菩薩の行とする親鸞の解釈   4 還相廻向論の源流を求めて 第二章 親鸞の往生論 「現世往生」は「即得往生」の誤解に基づく謬説  一 問題の所在  二 現世往生説の典拠   1 『一念多念文意』   2 『浄土三経往生文類』   3 『唯信鈔文意』   4 『愚禿鈔』  三 親鸞が「即得往生」を要注意の語とする理由  四 別時意説と親鸞の「即得往生」理解  五 世親の批判する≪発願 往生極楽≫の教説  六 現世往生説の由来  七 近代教学の蹉跌   1 曽我教学の過失    a 親鸞の説く往生を「不体失往生」とした過ち    b 法蔵菩薩を阿頼耶識と見た過ち  八 近代教学の終焉   1 二益法門を否定する過ち   2 往生思想成立への思想史を考慮しない過ち    a 仏教における二大思想の潮流    b 往生思想の源流   3 親鸞の読み替えの企図を誤解した過ち  九 親鸞の往生論   1 親鸞が不退転を現生に移し替えた動機   2 三願転入の往生論  十 親鸞の説く「命終往生」の意義 索引

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