繊維女性労働者の生活記録運動
1950年代サークル運動と若者たちの自己形成
辻智子
2015年11月26日
北海道大学出版会
9,900円(税込)
科学・技術
彼女たちは何を悩み、書き、考えたのか。紡績工場の労働組合文化活動から生まれたサークル「生活を記録する会」に残されたガリ版刷りの文集や通信、メンバーの個人日記やインタビューから、10代、20代の工員たちが、書くことで問題を対象化し、仲間で語り合い、解決していく実践を、社会情勢も踏まえて、具体的・多角的に記述。50年代後半以降の工員たちの人生にも着目する。「母の生き方と自分の生き方」や「仲間のなかの恋愛」「寮自治」「農村に嫁ぐこと」など書くこと・語り合うことで問題にじっくり向き合い、理解と納得を導いてきた女子工員たちの実践の記録。 第四節 サークルの中の恋愛をめぐって 恋愛によるサークルの危機 /「仲間のなかの恋愛」という実践課題 /農村青年との交流 小 括 第四章 女性労働者の葛藤と模索 ──一九五〇年代後半〜一九六〇年代初頭 第一節 「なかまのなかの結婚式」 結 婚 式 /仲間にとっての結婚式 /「なかまのなかの結婚式」をめぐって 第二節 女性にとっての結婚──「適齢期」をめぐって 女性の生き方 /集団創作『明日を紡ぐ娘たち』 第三節 「近代的女子労働者」像の問い直し──〈百姓娘〉をめぐって 「進歩的」指導者への懐疑と批判 /「進歩的百姓娘」をめぐって /〈百姓娘〉の意味するもの 第四節 操業短縮と解雇・帰休 一九五〇年代後半の泊工場と女性労働者 /操短のいきさつ /操短をめぐる攻防 /操短を乗り切る 第五節 サークルの転機 澤井裁判の結末 /復職後のサークル活動 /仲間たちの退社 小 括 補 節 一九五〇年代の繊維女性労働者とその意識 繊維産業の女性労働者と労働組合 /繊維女性労働者の声──全繊同盟機関誌『友愛』から 第五章 一九六〇年代以降のサークルと仲間たち 第一節 「五年目ごとのつどい」と仲間の歩み 「五年目ごとのつどい」 /仲間の足跡 /一九六〇年代 /一九七〇年代 /一九八〇年代 /一九九〇年代以降 第二節 女性たちの結婚とその後 結婚のいきさつ /「選ぶ側になりたい」 /嫁の立場──結婚後の暮らし 第三節 なぜ書くのか 通信・文集の発行 /「書いてどうなる」──なぜ書くのか 小 括 終 章 第一節 結 論 書くことへの絶えざる問い /理論と実践の統一への志向と矛盾の受容 /自己内対話=思考としての書くこと /集団の共同性と緊張関係 /表現の複数性 /一九五〇年代という時代──戦後の「新しさ」への確信 /主題(テーマ)の生成とその展開──繊維女性労働者の二重性 第二節 今後の課題 (1)書くことの集団的実践にかかわる教育学的考察 /(2)生活記録の系譜に関する研究 /(3)一九五〇年代の女性の運動研究の再考 /(4)働くことと学ぶこと──若い女性たちの生活・労働・教育をめぐって あとがき 巻末資料 人名索引 事項索引
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