宿命のひと

十七歳の夏、オリヴィアは大人の男性マックスにひと目で恋をして、ギリシアの海ですてきな思い出の一日を過ごした。両親が離婚しているオリヴィアは、夏休みだけは父と過ごす。その年は父の別荘に行き、客として来ていたマックスと出会ったのだ。だが、甘いキスの思い出も、父の激しい叱責で終わりとなった。女学生に手を出すなと言われマックスは去ったのだった。彼はオリヴィアがまだ十七歳だとはまったく知らなかったのに。そのあと、父から彼がギリシア人の美しい女性と結婚すると聞いた。五年後、父の思惑どおりに好青年クリストスと婚約したオリヴィアは、父のビジネスの複雑な利害関係に自分が利用されていることに気づく。クリストスはマックスの甥だが、商取引上では敵対する関係だ。オリヴィアは自分がいまだに強くマックスを愛していることを知る。