いつか愛の言葉を
六月の恋人たち
シルエット・ディザイア
アン・メイジャー / 秋元美由起
1993年6月30日
ハーパーコリンズ・ジャパン
651円(税込)
小説・エッセイ / 新書
「あそこにいる、あのカウボーイは誰?」突然、母が言った。ストーミーもその男には気づいていた。そして、彼がつばの広い帽子の下から、彼女をじっと見つめていることにも。今日は、ストーミーの個展の日。ビバリーヒルズのギャラリーには彼女の絵が並べられ、そのまわりには着飾った人々が集まっている。そんな雰囲気の中で、ステットソン帽をかぶり、ジーンズにウエスタンシャツを着た彼の姿はよく目立つ。ストーミーは、女性解放運動の指導者を母に持ち、男性のいない、女性ばかりのコミューンで育てられた。「あんな男に近づいてはだめよ」母の言葉を理解しながらも、ストーミーは彼に魅力を感じずにはいられなかった。彼のような男がなぜこんなところに?ストーミーの胸はあやしく騒いだ。
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