贈られた花婿

ある日突然、デニースは父親から会社の部下、ブラントを、紹介された。厳しい目つきの暗い表情をした彼だが、一目でデニースの心をとらえた。“今まで父は会社の人を家に連れてきたことがないのに、なぜ？”何者かに脅迫されているデニースの父は、娘にまで危険が及ぼのを恐れ、彼女を守るためだという。だが、デニースはどうも釈然としなかった。はたして３日後に、ブラントは彼女に結婚を申し込んだ。しかもそれは父の命令だという。「父はあなたがわたしと結婚したら、いくら払うといったの？」「社会の椅子ですよ」でも、たとえ父の命令だとしても、結婚などできるわけがない。