ロザリオにかけて

レスリー・ハーパーは優雅なエリート実業家。裕福な家庭のひとり娘として育った彼女は、華やかなパーティよりビジネスに興味をもち、持ち前の冷静さと勤勉さで、事業でも成功を収めている。そんな折、彼女は二年前離婚した夫が中米のサンクリストバルでゲリラに誘拐されたと聞き、責任を感じた。もう一度やり直そうという申し出を断った矢先の出来事だったからだ。離婚したとはいえ、かつての夫を見殺しにはできない。政府の頼りない捜査に甘んじていられなくなったレスリーは、みずから救出に乗りだすことになる。彼女はサンクストバルに詳しいという案内役を雇ったが、その男はカッターという呼び名しかない、いわくありげな人物だった。