
管理会計
古田隆紀
2007年5月1日
森山書店
3,740円(税込)
ビジネス・経済・就職
本書は、マネジメント・コントロール・システムが、管理会計の中心的役割として進展を見てきたことに着目するものである。マネジメント・コントロール・システムは米国で誕生し、日本企業の管理会計実務においても着実に定着してきた。もっとも、近年米国の管理会計とは異なる、日本企業独自の管理会計実践を追求する重要性が高まっている。ともあれ、マネジメント・コントロール・システムは、その焦点を戦略の実施に置く、経営管理者が策定された戦略を効果的に実施するために利用するツールに他ならない。そして、このために、マネジメント・コントロール・システムは戦略を実施するメカニズムの主要な構成要素とみなされてきたが、戦略を実施するメカニズムは、このマネジメント・コントロール・システムだけに限らない。その他に、組織構造をはじめ、トップ・マネジメントのリーダーシップや組織文化など戦略実施の主要な構成要素を通じて実施に移されるものである。 こうして、ここに、戦略や組織構造などを所与のものとしてではなく、これらとの相互作用の関係にあるマネジメント・コントロール・システムの構図を展望することができる。それは、これらとの相互作用の中でマネジメント・コントロール・システムを見つめ、論じる分析視角に他ならない。これが本書の分析視角である。伝統的に、管理会計のフレームワークを構築する際に往々にして捨象されてきたものといえる。 このような分析視角からマネジメント・コントロール・システムの進展を考慮する時、多様なVariationをとるものであることが経験的に観察可能である。現段階では、5つのVariationレベルに表されるものを考えることにする。ところで、これらのレベルはすべて、経常的、日常的な業務を遂行する組織におけるマネジメント・コントロールを前提に展開されるものである。つまり、on goingな業務指向のマネジメント・コントロールを前提に展開されるものである。これに対して、マネジメント・コントロールには、プロジェクトを指向するものがあり、プロジェクト指向のマネジメント・コントロールと呼ばれる。これにより、本書は、第1部 業務指向のマネジメント・コントロール、第2部 プロジェクト指向のマネジメント・コントロールとから大きく構成されることになる。
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