文体の舵をとれ

ル=グウィンの小説教室

アーシュラ・K・ル=グウィン / 大久保ゆう

2021年8月3日

フィルムアート社

2,200円(税込)

人文・思想・社会

技巧(クラフト)が芸術(アート)を可能にする 『ゲド戦記』『闇の左手』のアーシュラ・K・ル=グウィンによる小説家のための手引き書 「芸術には運もある。それから資質もある。それは自分の手では得られない。ただし技術なら学べるし、身につけられる。学べば自分の資質に合う技術が身につけられる。」(本書「はじめに」より) ハイファンタジーの傑作『ゲド戦記』や両性具有の世界を描いたフェミニズムSF『闇の左手』などの名作を生み出し、文学史にその名を刻んだアーシュラ・K・ル=グウィン。 本書は、ル=グウィンが「自作の執筆に励んでいる人たち」に向けて、小説執筆の技巧(クラフト)を簡潔にまとめた手引書である。 音、リズム、文法、構文、品詞(特に動詞、副詞、形容詞)、視点など、ライティングの基本的なトピックを全10 章で分かりやすく解説。 各章には、ジェイン・オースティンやヴァージニア・ウルフ、マーク・トウェイン、チャールズ・ディケンズなど偉大な作家が生み出した名文が〈実例〉として収録され、ル=グウィン自身がウィットに富んだ〈解説〉を加えている。また章末に収録されている〈練習問題〉を活用することで、物語のコツと様式について、自らの認識をはっきりと強固にすることが可能になる。 小説の執筆は、技芸(アート)であり、技巧(クラフト)でもあり、物作りでもある。 執筆の楽しみを満喫することができる一冊。 はじめに 第1章 自分の文のひびき 第2章 句読点と文法 第3章 文の長さと複雑な構文 第4章 繰り返し表現 第5章 形容詞と副詞 第6章 動詞ーー人称と時制 第7章 視点(POV)と語りの声(ヴォイス) 第8章 視点人物の切り換え 第9章 直接言わない語りーー事物が物語る 第10章 詰め込みと跳躍 付録:合評会    用語集    訳者解説

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