荷風と玉の井

「ぬけられます」の修辞学

嶋田 直哉

2019年5月15日

論創社

2,420円(税込)

人文・思想・社会

永井荷風の文学世界でとりわけ有名なのは『墨東綺譚』と玉の井である。「赤線玉の井、ぬけられます」として知られるが、実は赤線ではない。赤線は公娼だが、私娼、イリーガルな売春婦の街なのだ。荷風が最初に訪れた年には、玉の井バラバラ殺人事件が起こり、時に「魔窟」とも呼ばれた街に荷風は足繁く通い、ルポ文学のような形で物語を生み出した。それはどうしてなのか。そんな場所を描きながら、新聞小説として、木村荘八の挿絵とともに知られる荷風と玉の井。明治大学で近代文学を講じる若手研究者、嶋田直哉がその荷風と玉の井に注目し、『墨東綺譚』から『断腸亭日乗』と『寺じまの記』などを含めて政治学、図像学、地政学などのこれまでにない視点で論じて、荷風と玉の井の秘密を解き明かす。 第一章 永井荷風の復活ー『つゆのあとさき』/第二章 ヒモと金の物語ー『ひかげの花』/第三章 『墨東綺譚』の読まれ方/第四章 玉の井への道程ー『断腸亭日乗』と『寺じまの記』/第五章 玉の井の政治学/第六章 玉の井の図像学/第七章 玉の井の地政学/第八章 報告文学の季節

本棚に登録&レビュー

みんなの評価(0

--

読みたい

0

未読

0

読書中

0

既読

0

未指定

1

書店員レビュー(0)
書店員レビュー一覧

みんなのレビュー

レビューはありません

Google Play で手に入れよう
Google Play で手に入れよう
キーワードは1文字以上で検索してください