植民学の記憶

アイヌ差別と学問の責任;アイヌサベツトガクモンノセキニン

植木 哲也

2015年7月1日

緑風出版

2,640円(税込)

人文・思想・社会

1977年に北海道大学の「北海道経済史」講義で起きたアイヌ民族に対する差別発言……。しかし、それはたまたま起きた事件ではなく、背後に「植民学」があった。研究者たちはアイヌ民族をどのように捉えてきたのか。札幌農学校以来の植民学の系譜をたどり、現代にまでいたるアイヌ民族差別の源流を明らかにし、「学問」の責任を考える。 第一章 差別講義事件 一 北大差別講義事件 軍艦講堂/発端/一九七七年七月九日/助手有志による質問状 教授会告示/不可侵の原則/その後の展開/時代状況/学生闘争 二 命をかけた闘い 結城庄司の公開質問状/真冬の座りこみ/チャランケ 林の回答書/何が問われていたのか/「学問」の反応 三 研究者たち 林善茂/植民学講座/高倉新一郎/『アイヌ政策史』 高倉新一郎への批判/結城庄司の批判 第二章 植民学講座 一 札幌農学校と植民学 開拓使仮学校/開拓使のアイヌ教育/札幌農学校開学 学校の危機と植民学/佐藤昌介と新渡戸稲造 二 植民論の展開 講義ノート/内国植民論/帝国大学への昇格/高岡熊雄 北海道帝国大学から北海道大学へ/北海道大学と植民学 三 植民学とアイヌ民族研究 北大植民学の制約/本流と傍流/高倉新一郎の研究動機 植民学としてのアイヌ研究/内国植民論との接点 第三章 内国植民論 一 高岡熊雄の日本内国植民論 佐藤昌介の民族論/プロシア留学/『日本内国植民論』 高岡熊雄のアイヌ民族論/明治政府の内国植民政策 『普魯西内国殖民制度』/社会政策としての内国植民 民族競争としての内国植民/植民の終了/「植民」概念の変容 二 内国植民論とアイヌ民族研究 『日本内国植民論』と『アイヌ政策史』/民族問題へのアプローチ 高倉新一郎と同化政策/高倉の政策批判/フタの締めなおし 第四章 開拓の歴史 一 「植民」から「開拓」へ 民族問題の消滅/拓殖の条件/「開拓」「拓殖」「開発」 「殖民」と「植民」/歴史の接続と切断/蝦夷地の歴史と北海道の歴史 開拓と先住民族/自然としてのアイヌ/開拓史としての北海道史 二 開拓の中のアイヌ 同化の姿/同化と差別/「あわれな」アイヌ/風俗の保存/開拓者精神 北海道百年 三 開拓史観 『新撰北海道史』/『新北海道史』/支配者の歴史と人民の歴史 『アイヌ衰亡史』/植民地としての北海道 第五章 辺境論 一 辺境と内国植民地 植民学の消失/辺境としての北海道/辺境= 内国植民地/北海道の植民地化 レーニンとマルクス/内国植民論と内国植民地論争/民族問題の忘却 二 新しい「内国植民地」 内国植民地論争の再活性化/植民地的性格の継続/アイヌ民族への言及 歴史の切断/「まだ十分熟さない概念」/北海道と沖縄 植民する者から植民される者へ/高倉新一郎の植民地論 「開拓」概念の修正/当事者としての学問 終 章 植民地の大学 結城庄司の問い/存在の否定/学問による差別/「学問の自由」/侮蔑的発言 植民学の隠蔽/事件以後/植民状態の継続/過去と未来 文 献 あとがき

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