アファーマティブ・アクションの正当化と批判の憲法理論

茂木洋平

2022年10月7日

尚学社

7,040円(税込)

人文・思想・社会

アメリカ合衆国と日本の背景の違いを考慮し,アメリカの平等保護条項の解釈とAffirmative Actionの正当性をめぐる議論の中で受容可能な法理論を明らかにし,日本におけるアファーマティブ・アクションの正当性を検討する。 アメリカにおけるAffirmative Actionとは,対象者に(学校の入学枠,雇用,公共事業契約などの)社会的資源を付与し,対象外の者に社会的資源の獲得のハードルを高める施策である。日本の学説は構造的差別の是正策としてアファーマティブ・アクションの導入を提唱し、アメリカの「疑わしい区分」や「スティグマ」の理論を参照してきた。だが, アメリカでは, Affirmative Actionによってマイノリティが不利益を被ることもあり, マイノリティが受益者となりマジョリティが費用の負担者であるという構図は成立しない。アメリカのこの現状に焦点を当て、本書では、司法審査の内実の日米比較を足掛かりに,アメリカで平等保護条項解釈の基礎となるカラーブラインド理論を掘り下げ,日米に共通して抵触する個人主義との関係を論じ,さらに時間的な制約を設ける必要性を解明することで,アファーマティブ・アクションを正当化する法理論を検討する。 序章 問題の所在と本著の課題 第1章 平等領域における司法審査基準とスティグマの理論 第2章 厳格審査の内実──懐疑主義への依拠と敬譲の組込み 第3章 カラーブラインドの意味とAffirmative Action 第4章 カラーブラインドと個人主義 第5章 アファーマティブ・アクションと時間的制約 結章 平等保護条項とアファーマティブ・アクション

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