幻想と怪奇の英文学IV

変幻自在編

東雅夫 / 下楠昌哉

2020年9月7日

春風社

3,300円(税込)

人文・思想・社会

気鋭の英文学者らが論じた研究・批評の集成、第4弾。A・L・バーボールドの崇高恐怖論と実作「サー・バートランド」の翻訳も収録。 前口上【東雅夫】 第1部:怪獣大進撃 「植物する」(plant doing)ということージョン・ウィンダム『トリフィドの日』、その可能性の中心へ【遠藤徹】 洞窟のなかの幻想の怪物ー初期恐竜・古生物文学の形式と諸特徴【南谷奉良】 マンティコア変奏曲ー実在と幻想の狭間【大沼由布】 第2部:英国ゴシックの矜持 アナ・リティティア・エイキン「恐怖の諸対象を起源とする快楽について。断片作品『サー・バートランド』を付して」訳【下楠昌哉】 怪奇小説『メルモス』における結婚のメタファーと〈生〉の修辞学(レトリック)【小川公代】 『マンク』における二つのプロットと世界史的背景【市川純】 モノ語るゴシックー『オトラント城』と『ドリアン・グレイの肖像』に見る物質性【日臺晴子】 「幽霊のキャサリン」と奪われた肖像ー新しいゴシック小説としての『嵐が丘』【金谷益道】 第3部:ヴィクトリアン・ゴースト・ストーリーを越えて E・F・ベンスン、拡散と転覆のオブセッションー「塔の中の部屋」および「アムワース夫人」を中心に【岡和田晃】 「萎えた腕」に掴まれるとき 痣(マーク) -しるしは別のことを問い告げる【石井有希子】 亡霊は二度窓を叩くージェイムズ・ジョイス「死者たち」における歓待と寛大【小林広直】 『窓ガラスの言葉』に書かれた読めないメッセージ【岩田美喜】 語り手はもう死んでいるーカズオ・イシグロ「ある家族の夕餉」の怪奇性【田多良俊樹】 ロバート・M・パーシグ『禅とオートバイ修理技術』における幽霊の隠喩と文学的想像力【深谷公宣】 第4部:罪・妄執・狂気 アーサー王伝説における騎士と狂気【小宮真樹子】 幾重もの語りの内側にあるものー罪食いの伝承とフィオナ・マクラウドの「罪食い人」をめぐって【有元志保】 緑深き原生林へーマリー・コレリ『復讐ーー忘れられた男の物語』における自然回帰【桐山恵子】 「死への衝動(ドライブ)」-ミュリエル・スパークの終末観【高橋路子】 対談ーまたしても解説に代えて【東雅夫×下楠昌哉】 執筆者紹介(東雅夫によるメール・インタビュー) あとがき【下楠昌哉】 人名索引

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