海と路地のリズム、女たち

モザンビーク島の切れては繋がる近所づきあい

松井梓

2024年4月2日

春風社

5,500円(税込)

人文・思想・社会

海の波や天候は生計を左右する。かつて栄えた都市は現在では廃れて産業を失い漁村となった。稠密に建てられた家々のあいだに路地が張り巡らされ、住居では複数の家族が共に住む。モザンビーク島の女性たちの近所づきあいは、こうした繋がりのなかから生まれる。 一方で彼女たちは、いくつもの仕方でみずからを切り離し、人づきあいのバランスを調整する。あけすけなゴシップを言い合う、家族どうしでの食べ物のやりとりをバタリと打ち切る。それらは島の間延びしたリズムからすれば、あまりにドライな切断に見えるーー 本書が描くのは、こういったことだ。 はじめに 変転する関係を「感じる」 序章  繋がることと切り離すこと 第一章 モザンビーク島という舞台ー環境、歴史、社会、女性 第二章 居住空間の形成史、空間の特徴と近所づきあいのリズム 第三章 海がもたらす時間性ー変動と確実性のリズム 第四章 誰と住まい、誰と食べるかー住居内での食のやり取り 第五章 濃密な関わりあいとその変転ー親密さと摩擦を行き来する 第六章 ゴシップの渦中で共在する 終章  受け流すこと、委ねすぎないこと

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