G・H・ミード著作集成
プラグマティズム・社会・歴史
G・H・ミード / 植木豊
2018年9月27日
作品社
5,060円(税込)
人文・思想・社会
画期的な新訳で、主要著作、論文、草稿を一冊に編纂。本邦初訳を含む、日本初の主要論考集。本書によって、“20世紀のミード像”を超えて、“21世紀のミード像”が見えてくるはずである── 本書は、新しい時代に耐えうるミードの社会理論像を展開するための素材となるように編纂されている── 本書は、G・H・ミードの生前発表の論文と未発表の草稿、没後刊行の著書『精神・自我・社会』と『現在というものの哲学』を、すべて新たに翻訳し収録したものである。 今日、ミードは、社会学の分野では広く読まれ「シンボリック相互作用論」の源流として知られる。しかし、ミード理論の分析上の潜在力は、この狭い領域に収まるものではない。本書を繰り返し読むことによって、20世紀のミード像を超えて、21世紀のミード像が見えてくるはずである。 【本書の特長】 ・G・H・ミードの主要著作・論文・草稿を、一冊に編纂。 ・本邦初訳を含む、すべて画期的な新訳で。 ・収録論文について詳細な「解題」を付した。 ・「参考文献紹介」「先行翻訳一覧」「人名・事項索引」付き。 【本書の構成】 本書に収録した論考は、すべて1920年代以降のもので、ミードがホワイトヘッドやベルクソンの影響を受けつつ、プラグマティズム、相対論、創発論を彫琢していた、最も生産的な時期にあたる。新しい時代に耐えうるミードの社会理論像を、新しい世代の人々が展開していくための素材となるように、本書を編纂した。 第1篇 プラグマティズム・相対論・創発 1920年代に発表された論文6篇と、未発表の草稿2篇を収録し、さらに補章として、ウィリアム・ジェイムズの「戦争の道徳的等価物」(1910年)、これに触発されてミードが発表した「国を志向する精神と国際社会を志向する精神」(1929年)を収載した。これらの主要論点は、プラグマティズム、相対論=パースペクティヴ論、創発論=時間論の3点に集約できる。 第2篇 社会 没後出版された『精神・自我・社会』の本文、および補遺論文4篇を収録した。この本文は、1928年開講の「社会心理学 上級コース」の速記録、ならびに1930年開講の「社会心理学 上級コース」の聴講学生の整理ノートを基礎にして、編纂者モリスが加筆修正の上で編集したものであり、ミード自身が書いたものではない。 第3篇 歴史 没後出版された『現在というものの哲学』のうち、すべての本文(第一講義から第四講義)を収録した。この講義は、1930年12月、アメリカ哲学会大会(バークレイ)で開催されたケイラス連続講義用に、ミードが準備したノートを基礎にして編集されたものである。
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