農と言える日本人

福島発・農業の復興へ

有機農業選書

野中昌法

2014年4月16日

コモンズ

1,980円(税込)

ビジネス・経済・就職

3.11以降の約1000日で250回以上も福島を訪れ、 農家に寄り添って復興を支えてきた著者・渾身の書き下ろし!  農家に学び、共に考え、再生への道を切り開く。 はじめに 第1章 被災地で農家の生の声を聞く   1 現地調査での決断 海水が流れ込む水田ーー相馬市●稲の作付けを中止ーー南相馬市●農業者からの協力要請ーー二本松市東和地区●農業は再開できそうだ●里山の再生を目指して●までいの里を忘れない   2 ゆうきの里の有機農業者たちーー二本松市東和地区 ぶれず、めげず、しびらっこく、がんばっぺ●頼りになる事務局長●グリーンツーリズムの旗手は注文のきかねえ料理店の店主●農水省から新規就農へ●阿武隈に溶け込んだウチナーンチュ●こだわりのリンゴ農家   3 地域に有機農業を広げる福島県有機農業ネットワーク 篤農有機農家の想い●田んぼ(tanbo)から飛んだのでトンボ(tonbo)●トンボがリオに飛んだ●原発事故による福島農家の苦悩を世界に発信●農家娘の日々●希望の種を播く●厳しい状況が続く小高区   4 稲作の再開に向けた調査活動ーー南相馬市太田地区 農地の空間線量率は下がっているけれど……●実証水田での作付けと厳しい結果   5 全村避難からの再生ーー飯舘村大久保第一集落 集落の汚染マップを作成●自立の村づくりをあきらめない   6 理不尽な現実に立ち向かう後継者 第2章 研究者と農家の協働が生み出す成果   1 研究者の連携による復興プログラム 私たちの基本的姿勢●調査結果を農家に返す中間報告会   2 知ることは生きること 有機農業の適地・東和●詳細な汚染マップが何より大切●ウッドチップと落ち葉を利用した里山(森林)の除染●里山からの水に放射性セシウムが含まれている●土壌と玄米などの放射性セシウム含量の関係●放射性セシウム含量は水口が高い●移行係数は想定より低い●増水時に放射性セシウム含量が増える●ゼオライトや塩化カリウムなどの効果はない●耕作によって空間線量率が下がる●大豆の放射性セシウム汚染と低減対策●桑の木の放射性セシウム抑制対策●稲架掛け乾燥は安全●タケノコは先端部分の放射性セシウム含量が高い   3 上流の放射能汚染が下流の稲作に影響する   4 情報の公開で風評被害を乗り越える 第3章 足尾と水俣に学ぶ   1 初めて公害にノーと言った日本人・田中正造 田中正造の言葉●故郷の偉人への想い   2 農の人の軌跡 自己利益のためには行動しない政治家●農の人として農民に寄り添う●現場で農民に学ぶ谷中学●谷中学から水俣学、そして福島へ   3 水俣病の教訓 化学肥料と爆薬は同根●水俣病の発生と隠蔽の構造●相次ぐ訴訟●踏みにじられた水俣病特措法●語り部の証言と学生の反応●事実は現場にしかない 第4章 科学者の責任と倫理 現場を重視しない研究者●被害者の側に立たない行政●科学者の倫理的責任●現場で農と言える人たちを育てる おわりに 参考資料

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