
恐れのない組織
「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす
エイミー・C・エドモンドソン / 野津智子 / 村瀬俊朗
2021年2月3日
英治出版
2,640円(税込)
人文・思想・社会
『チームが機能するとはどういうことか』(9刷、3.4万部【電子込み】)著者最新刊! Googleの研究で注目を集める心理的安全性。 このコンセプトの生みの親であるハーバード大教授が、 ピクサー、フォルクスワーゲン、福島原発など様々な事例を分析し、 対人関係の不安がいかに組織を蝕むか、 そして、それを乗り越えた組織のあり方を描く。 目次 はじめに 第1部 心理的安全性のパワー 第1章 土台 第2章 研究の軌跡 第2部 職場の心理的安全性 第3章 回避できる失敗 第4章 危険な沈黙 第5章 フィアレスな職場 第6章 無事に 第3部 フィアレスな組織をつくる 第7章 実現させる 第8章 次に何が起きるのか 謝辞 解説 原注
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心理的安全性
starstarstarstar 4.5 2022年01月06日
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心理的安全性と信頼の違いは、組織としての態度であるか、個人間の関係であるか。組織として心理的安全性かあれば、組織において失敗からの学習を効率的、効果的に進められる。
心理的安全性が、VUCA時代に安定した成果を上げる必要条件であることを示す。心理的安全性が確立されていれば成果をあげられるわけではなく、VUCA時代においてはあくまでも必要条件である。
心理的安全性がない環境において利益や人命を失った例を示し、重要性を説く。飛行機事故や原発事故、病院における医療事故等、多くの例が挙げられる。
心理的安全性を確立するためにリーダーが備えるツールキットの解説。
仕事の土台を作る。フレーミングと、目的の共有、明確化。
参加を求める。自身の謙虚さ、無知や失敗を認め開示する。良い質問をする。探求的な、発言をしやすくする質問。また、意見を述べやすくする仕組みを作る。会議体や目安箱など。沈黙が悪であるという意識を共有する。ただし、自分が意見を述べる際には、意見を述べる資格があるかを自問する必要があるし、リーダーとしては価値ある意見とただの推測を区別する必要がある。
生産的に対応する。感謝の表明。例え意見が的外れでも、まずは意見を出してくれたことに感謝する。失敗を歓迎する。必要であれば支援を申し出る、対応を議論するなどして、未来に目を向け、失敗から学ぶ。また、学んだ内容から設定したルールに明白に何度も違反するなどの場合、制裁を加えることでチームの心理的安全性を維持する。
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ずば抜けた結果を出す組織をつくる鍵は心理的安全性
ハーバードビジネススクールのエイミーエドモントン教授による21年の本(原書は19年)。学習・イノベーション・成長をもたらす心理的安全性の重要性を説く。 恐れのない組織とは、対人関係の不安を最小限に抑え、組織のパフォーマンスを最大にできる組織。 心理的安全性とは、みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化。職場環境にかなりの心理的安全性がある場合、ミスが迅速に報告されすぐさま修正が行われ、部署を超えた団結が可能となり、イノベーションにつながる斬新なアイデアが共有される。 グーグルのプロジェクト・アリストテレスによると、高いパフォーマンスを上げるには、明確な目標、頼れる仲間、個人的に意味のある仕事、その仕事に影響力があるという信念の4つが大切。心理的安全性がその4つの土台となる。 リーダーの役割が重要で、従業員が不安を覚えることなくアイデアを提供し、情報を共有し、ミスを報告する風土をつくらなければならない。 賢い失敗は歓迎されることを伝え、向上心を刺激し参画意識を高め、発言に感謝することが大切。 リーダーは、まず心理的安全性を作って学習を促進し、回避可能な失敗を避ける。また、高い基準を設定して人々の意欲を促し、その基準に到達できるようにする。 リーダーシップとは、みんなの取り組みを総合し、一人では不可能なことを成し遂げること。持てる才能と技術を一人ひとりが活かし切るのを手助けすること。 沈黙ではなく率直な発言を、不安ではなく積極的な参加を求めることが、リーダーにとって最重要の責任。 心理的安全性が重要というのはあまりに浸透しているため、それが無いことによる弊害・リスクについて再認識できた。 心理的安全性があることが、ずば抜けた結果を出すための必須条件に異論は無いが、仲良しクラブでは高い成果に結びつかず、高い基準を設定して到達できるようにする、ところが難しいと思う。
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