カロリング帝国の統一と分割

『ニタルトの歴史四巻』

ニタルト / 岩村清太

2016年7月10日

知泉書館

1,980円(税込)

人文・思想・社会

カロリング帝国の完成者カール大帝の後を継いだ長子ルートヴィヒ敬虔帝は、帝国の分裂を防ぐために「帝国整備令」(817年)を発布した。新たに長子権を設け年長のロタールを帝位につけ、二人の皇子ピピンとルートヴィヒ2世を王に任じて長子ロタールの権威の下に置いた。この決定を二人の皇子や家臣たちが心から受け入れたわけではなかったが、事態を複雑にしたのは敬虔帝がユディトとの再婚により生まれたカール禿頭王に領地を与えるため、三人の皇子に分与した領地の見直しを求めたことであった。敬虔帝なきあとロタール対ルートヴィヒとカール禿頭王という皇子同士の争いとなり、最終的にはヴェルダン条約(843年)、メルセン条約(888年など)を経てイタリア、ドイツ、フランスの原型が形成された。

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