青を泳ぐ。

新鋭短歌シリーズ 30

杉谷 麻衣

2016年9月12日

書肆侃侃房

1,870円(税込)

人文・思想・社会

【泳ぐとき、人は美しいほど一人きりだ。】 深く潜りゆくシャープな歌と、誰かを求めて浮上する歌に こころと呼吸が奪われてゆく。 (光森裕樹) <自選短歌五首> 爪に残る木炭ばかり気になって完成しない風の横顔 肋骨のケージで飼っている月が膨らんでゆく しゅはり、しゅはりと 冬生まれだから、で指のつめたさを君は語りぬまひるまの坂 流星のような一瞬 送信を終えて止まった画面見ている 雨 きっと忘れてしまうあの木々にさくらという名があることもまた

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