
山羊と水葬
くぼたのぞみ
2021年10月28日
書肆侃侃房
1,760円(税込)
小説・エッセイ
この豊かに実のなる大樹の根っこはどうなっているんだろうと掘ってみたら、北海道の雪原や、ジャズや、アフリカの大地や、詩や、動物たちがざっくざっく出てきた。 くぼたさんの知とフェアネスと言語感覚は、こんなにたくさんの養分の上に育っていたのだ!--岸本佐知子〈翻訳家〉 吹雪もやんで、きらきらと雪原に光が反射して、目が痛いほど晴れわたる朝、山羊小屋から緊張した気配が伝わってきた。山羊が鼠捕りの毒だんごを食べたのだ。積雪は一メートルをゆうに超し、土まで掘るのはとても無理。凍った山羊の体を馬橇にのせて、吹雪のなかを石狩川の鉄橋へ。男たちが声を合わせて筵ごと持ちあげ、緑色の欄干の向こうへ落とす。水葬だ。水しぶきが見えたかどうか。白く煙る雪のなかに「それ」は消えていった。少女の記憶はそこでふっつり途切れる。 「山羊と水葬」より
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Tojo Hiroyuki
(無題)
幼少期の物語は神話のようである。 100年も経たぬうちにこの日常が神話のようになる。 本書にその美しさが記憶として留められているだけでも素晴らしい。
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