天正壬午の乱増補改訂版

本能寺の変と東国戦国史

平山優

2015年7月31日

戎光祥出版

2,860円(税込)

人文・思想・社会

戦国の世に生き残りをかけて勃発した、武田遺領をめぐる徳川・北条・上杉氏の熾烈な戦い。全領主に勢力拡大の機会が訪れた稀有の大乱の経過や、国衆・一揆の動向など新事実を加え、再び江湖に問う。写真・図版も充実の増補改訂版!

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さとう(人文)

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戦国時代のリアルを見事なまでに「史料に語らせた」労作

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4.6
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2020年06月28日

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Readeeユーザー

戦国時代のリアルを見事なまでに「史料に語らせた」労作

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4.6 2022年05月28日

2011年に学研から出版されるも絶版。 2015年に増補改訂版として戎光祥出版からリバイバルされたものである。 現在では「天正壬午の乱」という呼称が広く聞かれるようになってきた。 この呼称をはじめて提唱した本である。 天正10年(1582年)3月。 名門・武田家が織田・徳川家によって滅亡させられる。 織田家は信濃、甲斐を中心とした武田遺領の領国経営に着手するも、その矢先の6月に信長が本能寺に倒れてしまった。 この短い期間では統治の基盤が築けなかった織田家は武田遺領から撤退。 信濃、甲斐は「空白地帯」となってしまう。 この「空白地帯」を制圧して勢力を伸ばそうと目論見た大名たち…上杉景勝、北条氏直、そして徳川家康である。 この三大名による武田遺領をめぐる抗争が天正壬午の乱である。 この三大名はいわば「表」の主役である。 戦国時代の領国をめぐる戦いとは大名の力だけで動くわけではない。 地域に勢力を張る国衆…大名と比べれば軍事力も経済力もはるかに弱いが、彼らを味方につけられるか、あるいは背かれるかによって情勢は一日単位でオセロゲームのようにひっくり返っていく。 勢力としては小さな国衆の一挙手一投足に翻弄される大名たち。 木曾、小笠原、諏訪、依田、そして真田などの国衆が「裏」の主役である。 彼らは生き延びるために文字通り命懸けの駆け引きを繰り返す。 多くの「役者」たちの思惑が交錯する天正壬午の乱という騒乱は「混沌」といってもよいほど複雑でえる。 その「混沌」を丹念に史料をたどることで解きほどいていく…見事なまでに「史料に語らせる」のが本書である。 様々な史料を渉猟して描き出される数ヶ月間の歴史叙述は、まさに「事実は小説よりも奇なり」を地でいく労作。 抜群に面白い。 さて、本書の終盤に聞こえてくるのは新たな「役者」が登場する予感…羽柴秀吉である。 のちに天下人となる秀吉の動向にも天正壬午の乱は大きな序曲を奏でていたことがわかる。 本書の続編にあたる『武田遺領をめぐる動乱と秀吉の野望』も併せて読むことで、より一層本書が描いた騒乱の歴史的意義が浮き彫りになることは間違いない。

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