その場で関わる心理臨床

多面的体験支援アプローチ

田嶌 誠一

2016年1月30日

遠見書房

4,180円(税込)

人文・思想・社会

問題は面接室の中で起きてるんじゃない!! 生活の中で起きてるんだ!! 何がしかの問題を抱える人に対し,心理療法は密室の中で相談をし解決を探るという方向に発展をしてきた。しかし,面接室の構造がどうであろうと,セラピストが共感的な態度を示そうと,問題は面接室のなかで起きているのではない。問題は生活のなかで起こっている。解決する方法のカギも生活のなかにある。 本書に描かれている心理的援助は,従来の心理的なとらえ方だけではなく,より多方向の解決を模索するものである。密室から脱し,コミュニティやネットワークづくり,そして,「その場」での心理的支援,それを支えるシステムの形成──それが著者の言う,多面的体験支援アプローチである。 教える,ほめる,叱る,止める,遊ぶ,守る,言語化を促す,やってみせる,喜んでみせる,他者とつなぐ,場とつなぐ,仲間づくり,集団づくり……。本書には,著者が長年にわたって実践してきた「その場で関わる心理臨床」の実践と理論のすべてが網羅されており,すべてのセラピストが目指すべき極点の一つと言っていいだろう。この本は明日を生きる臨床家にとって必読のものである。 第1章 「その場で関わる心理臨床」と「体験支援的アプローチ」 第2章 暴力を伴う深刻な事例との「つきあい方」 第3章 不登校の理解と対応ーー1.家庭訪問の実際と留意点 第4章 不登校の理解と対応ーー2.当事者の体験発表 第5章 不登校の理解と対応ーー3.「希望を引き出し応援する」 第6章 発達障害とその周辺 第7章 学校・学級での問題行動ーー暴力と離席,学級崩壊,反抗性集団化 第8章 学校のいじめ,施設の暴力ーーそれがつきつけているもの 第9章 いじめの事例ーー現実に介入しつつ心に関わる 第10章 学校・施設等における人間環境臨床心理学的アプローチ 第11章 対人援助のための連携の臨床心理学的視点ーーネットワーク活用型援助にあたって心得ておくと役立つこと 第12章 多少の理論的考察ーー臨床心理行為の現状と課題 第13章 その場で関わる心理臨床を超えてーーその1.安全委員会方式の実践 第14章 その場で関わる心理臨床を超えてーー2.児童福祉法改正と施設内虐待の行方〜このままでは覆い隠されてしまう危惧をめぐって〜 第15章 その場で関わる心理臨床を超えてーー3.NPO法人九州大学こころとそだちの相談室「こだち」の取り組み 終章 くりかえし,くりかえし,その先に

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