デジタル時代の児童の読解力
紙とデジタル比較読解調査からみえること
難波 博孝
2024年4月6日
文学通信
1,650円(税込)
人文・思想・社会
紙とデジタル。それらは児童の読解力にどんな影響を与えているのだろうか。 児童のメディアとの向き合い方が大きくかわっていくなか、何をどう考えていくべきか。 コロナパンデミックの時代にデジタル機器一人一台を迎えた学校教育現場では、学習者の読解力が低下するのではないかという懸念や、紙をデジタル機器に置き換えただけのカリキュラムや授業で果たしていいのかといった不安が解消されないまま、急速にデジタル機器を使った教育実践が進められている。 確かなデータを手に入れて、それを元に議論をし、その議論を踏まえて国語科や教育現場におけるデジタル機器の使用やデジタル機器を用いた教育を新たに構築するべきだと考えた編者らが、児童の読解力、特に深く読む「読解力」が異なるのかどうか、異なるとしたらどこが異なるのか、また、児童のメディア志向(読書するなら紙がいいか、デジタルがいいかなど)が読解力にどのような影響を与えているのかの調査を行った。本書はその調査報告である。 難波博孝のほか、執筆は、菅谷克行(茨城大学人文社会科学部教授)、森美智代(福山市立大学教育学部教授)、瀧口美絵(広島都市学園大学子ども教育学部准教授)、黒川麻実(大阪樟蔭女子大学児童教育学部准教授)、高橋茉由(秋田大学教育文化学部講師)。 【私たちがどうしてもお伝えしたいのは、今のままの「読むこと教育」(文学・説明文など文章全般を読むことの教育)ではいけないのではないかということである。デジタル機器導入によって、児童のメディアとの向き合い方が大きく変わってきているからである。ぜひとも本書をお読みいただき、「新たな読むことの教育計画」をこれからどう作っていけばいいかについて、みなさんと一緒に考えていければと願っている。】……「はじめに」より
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