日本人の死生観 第一巻

霊性の思想史

鎌田 東二

2025年3月27日

作品社

2,970円(税込)

人文・思想・社会

日本人の「いのち」は死後どこへ行くのか。 汎神論と習合思想の土壌に醸成された 独自の世界像を 『記紀』『万葉』から探る「たましい」の 精神史。 わがみちを  どこまでいけども  はてしなく  とほうにくれて  みちなきみちをゆく (東二) 「いのち」は生と死の両極を含み持つ言葉である。たとえば、『万葉集』に見られる「いのち」にかかる枕詞は「たまきはる」であるが、それは、「魂・来・経る(膨る・張る)」、すなわち「魂が来訪して膨らみ経ていくもの」の意味で、魂の来訪と通過を核として成立している。とすれば、「いのち」の中には「たま(たましい)」をも含んでいるということになるだろう。そのような日本人の「いのち」観に基づきながら、「環境・生命・倫理」について神道の立場から考えてみたい。(本文より) ******** 【目次】 序章 安部公房と三島由紀夫の比較から始める 補記 梅原猛の三島由紀夫論 第一章 「霊」あるいは「霊性」の宗教思想史 第二章 うたといのりと聖地の死生観 第三章 いのちをめぐる東西の自然理解と死生観ーー環境・生命・倫理〜神道の立場から 第四章 モノと霊性ーーものづくりからもののあはれまで 終章 言霊と神道ーー草木言語から人間言語・地域言語への射程 初出一覧 参考文献 あとがきーー出雲系死生観 補記 出雲魂ルネサンス

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