眉の清らさぞ神の島

上野英信の沖縄

三木健

2020年7月17日

一葉社

1,980円(税込)

人文・思想・社会

筑豊の地底の坑夫たちをテーマにした記録文学で、近代日本の在り様を撃ち続けてきた上野英信。その上野の遺作が、沖縄を正面から取りあげた異色の作品『眉屋私記』である。 「移民と辻売りという近代沖縄の底辺を貫く二つのテーマによって、そこに息づく民衆の姿を映しだしたのである。……眉屋一族の歴史は、近代の沖縄民衆の歴史であった」(本書より)  その上野没後33回忌にあたり、眉屋一族生誕の地・沖縄名護の屋部(やぶ)地区に『眉屋私記』の文学記念碑が今年秋に建立される。その実行委員でもある著者が、これまで書き連ねてきた上野英信と『眉屋私記』に関する文章を集めて編んだ、まさに紙の記念碑とも言える一冊。 「地下水脈のように読み継がれた『眉屋私記』が再び地表にその姿を見せた」(本書より) あの上野英信は沖縄・屋部に生きていた!  上野英信の『眉屋私記』執筆の貴重なテキストである「山入端(やまのは)萬栄キューバ手記」の全文も、今回初めて収録されている。 序 渡波屋から世界へ 上野英信と沖縄 通底する筑豊と沖縄 上野英信が遺したもの 「筑豊文庫」を支えた上野晴子 『眉屋私記』取材同行記 炭鉱移民と辻売りで紡ぐ民衆史 『眉屋私記』のヒロイン・山入端ツルのこと 出版とその後 『眉屋私記』をめぐる人々    * 山入端萬栄ノート「在外五十有余年ノ後ヲ顧リミテ」(手記)

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