奇想天外だから史実

─天神伝承を読み解く─

阪大リーブル 053

高島幸次

2016年4月18日

大阪大学出版会

1,980円(税込)

人文・思想・社会

「時間も空間も自由自在に行き来して歴史を探偵する高島先生。いつもは笑顔ですが、定説を疑うときになると眼が「キラリ」と光って、ちょっと怖いです。」(内田樹) 「創世神話」や「英雄伝説」には,荒唐無稽にみえるプロットやファクターから成り立っているものが少なくないが,その時代状況を分析することにより,そこに込められた深遠なメッセージが浮かび上がってくる.本書では,日本史上初めて人間を〈カミ〉に祀り上げた天神伝承をテキストとして,「七本松伝承」や「渡唐天神伝承」などにまつわる文献を丹念に辿り,読み解くことにより,意外な史実を紡ぎ出し,その面白さを伝える. 序章 神仏習合と天神信仰 一 神仏習合の風景 二 反国家的な〈カミ〉 第一章 大阪天満宮の「七本松伝承」 一 七本松伝承を読むために 二 大将軍社のメッセージ 三 「千」と「七」のメタファー 四 「松」のメタファー 第二章 飛梅伝承と渡唐天神伝承 一 菅公愛梅説 二 「飛梅伝承」の変遷 三 北野天満宮の松と安楽寺の梅 四 渡唐天神伝承 第三章 天神信仰と鶏・牛・柘榴 一 道明寺鶏鳴説話 二 神牛伝承 三 柘榴天神伝承

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