
こう読めば面白い!フランス流日本文学
子規から太宰まで
阪大リーブル 60
柏木隆雄
2017年6月12日
大阪大学出版会
2,310円(税込)
人文・思想・社会
日本文学の柱ともいうべき8人の作者の周辺にすでに西洋文学があった。作者は意図せずして教養の奥からにじみ出てきたエッセンスを掬い取り、自作の表現に生かしていることをフランス文学者である著者はそこここに見出している。これまでの日本文学を全く違ったアングルからみると、さらにその作品の面白さが際立ってくる。 第一章 正岡子規の生と死 -自筆墓碑銘をめぐってー 一 伝統的和歌と子規の革新 二 「文学」研究の縮図としての「自筆墓碑銘」 三 墓碑銘の系譜 四 ふたたび自筆墓碑銘を読む 五 月給四十円 六 連作「瓶にさす藤」 七 自筆墓碑銘の意義 第二章 坪内逍遙の『小説神髄』と曲亭馬琴 一「芸術」としての小説 二逍遙の「稗史家略伝並びに批評」 三 小説七則 四 馬琴七則とフランス十九世紀の小説 五 逍遙の小説技法 第三章 島崎藤村に見るジャン=ジャック・ルソーー『破戒』から『新生』へー 一 ルソーの日本移入 二 藤村の『破戒』における『懺悔録』の位置 三 『破戒』に見るルソー『告白』 四 透谷の石坂美那宛書簡 五 透谷、ルソーそして藤村 六 『破戒』から『春』へ 七 『新生』の意義ーふたたびルソー『告白』へ 第四章 菊池寛とバルザック -『真珠夫人』をめぐってー 一 処女作が語るもの 二 「恩」を眺める「普通の目」 三 菊池寛と芥川龍之介 四 新聞小説『真珠夫人』の成功 五 「書き出し」の仕掛け 六 フランス小説の影 第五章 バルザックを通して見た黒澤明 一 映画と文学 二 立川文庫の役割 三 演劇への悟入 四 老人の位置 五 黒澤明とバルザック、それぞれの登場人物たち 六 老人の群像 七 登場人物の連環ー「人物再登場法」- 八 黒澤はバルザックを知っていたか? 第六章 三好達治の詩的空間 -フランス詩との関わりをめぐってー 一「雪」の世界 二 「甃のうへ」 三 「甃のうへ」の淵源 四 日本語の押韻 五 詩人の形成 六 ジュール・ルナールとフランシス・ジャム 七 詩人のその後 第七章 竹友藻風とヴェルレーヌ -学匠詩人の面目ー 一 師と弟子 二 『海潮音』から『法苑林』へ 三 韻律の重さ 四 詩法ーなによりもまず音楽をー 五 ヴェルレーヌの影 -翻訳の彼方にー 第八章 太宰治はフランス文学をどう読んだか? 一 太宰治とフランス文学 二 ダマツテ居レバ名ヲ呼ブシ/近寄ツテ行ケバ逃ゲ去ルノダ 三 「私」語りの問題 四 再び「ダマツテ居レバ名ヲ呼ブシ/近寄ツテ行ケバ逃ゲ去ルノダ」 第九章 太宰治『乞食学生』とフランソワ・ヴィヨン『大遺言書』 一 『乞食学生』の屈託 二 日本におけるヴィヨン 三 ヴィヨン『大遺言書』年譜と太宰治 四 ヴィヨン『大遺言書』から『乞食学生』へ 第十章 太宰治『惜別』の生成 一 物語の交差 二 「日本文学報国会」と太宰治 三 『惜別』創作の意図 四 中国文化の位置 五 太宰治が目指すもの、あるいは目指したもの 六 善意の「悪人」 第十一章 『ヴィヨンの妻』の周辺 一 『如是我聞』の罵詈雑言 二 戦中から戦後日本におけるフランソワ・ヴィヨン 三 ヴィヨンから『ヴィヨンの妻』へ 四 ヴィヨンと詩人大谷
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