共生学宣言

志水宏吉 / 河森正人 / 栗本英世 / 檜垣立哉 / モハーチ・ゲルゲイ / 木村友美

2020年3月17日

大阪大学出版会

2,750円(税込)

ビジネス・経済・就職 / 人文・思想・社会

環境共生、人間共生、多文化共生など、「共生」に関するさまざまな個別研究が広がるなかで、「共生学」という新たな学問の開拓に挑戦する。「他者との出会い」「グローバリゼーション」という基礎的概念から出発し、高齢者、食と健康、フェミニズムと地域史、性教育と学校、国際協力、宗教と科学技術をめぐる共創、災害復興とボランティア、死者、潜在的な他者、植物といった共生にまつわる諸課題への実践を包含・体系化し「共生のフィロソフィー」「共生のサイエンス」「共生のアート」として整序する。大阪大学大学院人間科学研究科が宣言する「共生学」とは何か。『共生学が創る世界』(2016年刊)発展編。 はじめに 序章 私たちが考える共生学 第1部 共生学とはなにか 第1章 共生の相互作用的基盤とはなにかー違和感、不快感と不断の交渉 第2章 「共生」の位相を巡る思想史ー小さな物語の横溢?大きな物語の欺瞞? 第2部 今を生きる 第3章 「地域共生社会」の再検討ー高齢者を起点とする多世代共生の実践 第4章 フィールド栄養学からみた食と健康ーインド・ヒマラヤ高地の遊牧民と難民を事例として 第5章 戦時性暴力と地域女性史ーフェミニズムが支えるスピークアウト 第6章 なぜ子供たちが知らないままでいることを望むのか?-学校で包括的性教育を実施することの困難とその解決に向けて 第3部 ともに生きる 第7章 国際的支援と住民の自助を再考するーケニア・スラムの無認可私立学校を事例として 第8章 共生社会に向けての共創ー宗教と科学技術による減災のアクションリサーチから 第9章 共生のグループ・ダイナミックスとその技法ー中越地震からの復興過程を通して 第4部 さまざまな共生のかたち 第10章 死者との共同体ー記憶の忘却と存在の喪失 第11章 消滅というリアリティに向き合うー非人間的な存在とのかかわりをとらえなおす 第12章 共に治すー人新世における人間と植物の共生をめぐって 補論 共生学はどこからきて、どこにむかうのか おわりに 執筆者紹介

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