金ボタンの距離（1）

卒業式を三日後に控えた雅之は、満員の通学電車の車内で、海堂となのる背の高い青年の第２ボタンに髪を絡ませてしまう。それも卒業イベントに大切な第２ボタンに！！髪を切るわけにもいかず、ボタンをちぎって取った海堂は、惜しげもなく雅之にボタンをくれた。男同士だし、ほれたってわけじゃないけれど、彼が気になって仕方ない雅之だったが、もう電車で会うことはなかった。しかし、入学した高校の寮のルームメイトが、な、なんと…。