令和万葉秘帖〜長屋王の変〜

大杉 耕一

2019年8月28日

郁朋社

1,320円(税込)

小説・エッセイ

大伴旅人、山上憶良ら九州を代表する官人歌人三十二名が「梅花」を主題に我が国において空前絶後の歌宴を催した。万葉集誕生の秘密に迫る歴史浪漫シリーズ。

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Readeeユーザー

万葉集に詠まれた時代の背景が良く解る

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4.8 2024年04月03日

万葉集には多数の歌が収められているが、これまで単独で目にしても自分には何を詠っているのか良く解らなかった。本書ではその時代背景、特に長屋王の変に至った時代の政治状況、人間関係、関係する歌人の心情まで非常によく理解できる。天智系=藤原氏側の天武系に対する一方的な敵愾心が、長屋王の変という極めて非道な事件に及んだということを知るにつけ、日本書紀により偉人の様に扱われている聖武天皇や光明皇后に対する見方が変わることになった。その中で万葉集という傑作が残されたのがせめてもの救い。大伴旅人の高貴な人格、山上憶良の切れ者ぶり、恐らくかなりの創作もあると思われるが山部赤人の立ち位置などがイメージ出来て興味深い。京大経済学部卒、国内外での住友銀行勤務を経て61歳から「晴耕雨読」を始めたとする著者の、博識・多才に感心するばかりである。

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