分節幻想

動物のボディプランの起源をめぐる科学思想史

倉谷滋

2016年11月25日

工作舎

9,900円(税込)

科学・技術

ヒトが属する脊椎動物は、頭の分節性を特徴としており、多くの生物学者が200年以上にわたり解明に挑んできた。しかし、頭部分節という考え自体が、「幻想」として生み出されたものであった。90年代に誕生した「進化発生学」の観点から、分節をめぐる学者たちの探求をたどり、動物形態の起源と進化、自然への眼差しの変遷に迫る。脊椎動物とは、われわれとは何ものか? 「アタマの起源」を探る、刺激的な一書。 第1章 観念論の時代  ◆ゲーテからオーウェンへ  ◆オーウェン  ◆原型と相同性、グレードとクレード 第2章 比較発生学と比較解剖学の時代  ◆先験論的比較発生学  ◆頭部分節の否定、そして「前成頭蓋発生学」の誕生  ◆分節の起源  ◆ヘッケル  ◆ゲーゲンバウアーと比較解剖学  ◆バルフォーと頭部分節  ◆ヴァン=ヴィージェ  ◆プラットの小胞と頭部分節の数  ◆フロリープ  ◆ガウプと軟骨頭蓋の比較解剖学  ◆後頭骨のホメオティックシフト  ◆鰓と頭腔  ◆グッドリッチと頭部分節説の二〇世紀的結論  ◆誰が分節論者か? 第3章 もう一つの流れ、神経系の分節理論  ◆神経分節と頭部分節性  ◆神経分節  ◆ジョンストン  ◆ニールと神経分節  ◆ベルグクイストと多角形モデル  ◆二〇世紀末のロンボメア論争  ◆もう一つの前脳モデル 第4章 グッドリッチ以降  ◆円口類の位置と意義  ◆ド=ビアと前成頭蓋博物館  ◆ゼヴェルツォッフの系統進化的ヴィジョン  ◆アリスと梁軟骨  ◆ポルトマンと頭蓋の一次構築プラン  ◆ジョリー  ◆ローマーと二重分節説?  ◆スウェーデン学派  ◆形態学の暗黒時代とソミトメアの夢  ◆頭腔と頭部中胚葉の分節性  ◆遺伝子発現 第5章 実験発生学の時代  ◆個体発生プロセスとボディプラン理解  ◆形態発生的拘束と分節性  ◆脊椎動物の頭部分節性を発生機構的に見直す  ◆頭部神経堤細胞をめぐる実験発生学と頭部分節性  ◆皮骨頭蓋の謎 第6章 進化発生学の興隆  ◆進化発生学とは何か  ◆現代進化発生学批判試論  ◆脊椎動物の起源という問題意識  ◆ガンスとノースカットと「新しい頭」  ◆ナメクジウオとの比較  ◆半索動物  ◆背腹反転  ◆そして、脊索は  ◆進化を遡る  ◆幻想としてのウルバイラテリア  ◆類似した分節  ◆脊椎動物の作り方に関する謎  ◆祖先的胚形態  ◆残された問題  ◆相同性をめぐる考察、再び  ◆結語 追補ーー試論  ◆序  ◆円環としての相同性  ◆要約と結論

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