
エデとウンク
1930年ベルリンの物語
アレクス・ウェディング / 金子マーティン
2016年6月20日
影書房
1,980円(税込)
絵本・児童書・図鑑
「やっぱりきみは、ほんとうのジプシーなの?」 「そうよ。どうってことないじゃない」 ベルリンの街角で、エデは「ジプシー」の少女・ウンクと出会いました。 この本の舞台は1930年のドイツ・ベルリンの労働者街。突然に工場をクビになったおとうさんのピンチを救おうと、11歳の少年エデが、「ジプシー」の少女・ウンクやその家族、親友のマックセ、工場でストライキ中のマックセのおとうさんたちの力を借りて活躍する物語です。 著者のアレクス・ウェディングは1929年に当時9歳のウンクとその家族や友だちと出会い、かれらの話を本にしました。 この本が出版されて2年後、ドイツではナチスが政権をとります。ベルリンに暮らす「ジプシー」を、当時としては珍しく好意的に描いた本書は、ナチスによって禁書にされ、ユダヤ系の共産主義者だった著者は、ドイツからの亡命を余儀なくされました。 ナチスは「ジプシー」(ロマ民族)を、ユダヤ民族と同様に「劣等人種」とみなし、強制収容所へ送り虐殺しました。この物語に登場する11人のロマのうち、ホロコーストの生存者はわずか1人のみです。 本書では、ナチス時代のロマ民族の経験について、訳者でロマ研究者の金子マーティンさんによる詳細な解題(「ウンクたちのその後」)を付しました。 心を打つ崔善愛さんの解説「『エデとウンク』と私たち」も収録。 [本篇]『エデとウンク』(アレクスウェディング著/金子マーティン訳) 第1章 シュペルリング家はそれを予期できなかった 第2章 緑色の家馬車の女の子、ウンク 第3章 滝のように口達者なアーベントストゥンドさん 第4章 腐った魚の島 第5章 すべての悪行が悪いわけではない 第6章 新しい友だちと新品の自転車 第7章 救世主、ヌッキおじさん 第8章 「エデにお礼をいうべきでしょう!」 補遺・不思議な出会い、ウラルルの国、ジプシー語の便りやそのほかのこと [訳者による解題]「ウンクたちのその後」(金子マーティン) 1 ロマ民族とは 2 ワイマール共和国時代の差別政策 3 ナチス政権下のウンクたち 4 アレクス・ウェディングと『エデとウンク』 5 ホロコーストの犠牲者・ロマの追悼と「反ジプシー」の動き [解説]「『エデとウンク』と私たち」(崔善愛)
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