
文化財の価値を評価する
文化とまちづくり叢書
垣内 恵美子 / 氏家清和 / 岩本博幸 / 奥山忠裕 / 児玉剛史
2011年10月31日
水曜社
3,080円(税込)
人文・思想・社会
文化財とは、それぞれの時代に創造された新たな価値が長い時を経て社会的な認知を受け、地域や社会にとって貴重な資産となったものである。また文化財には、歴史的・文化的価値などの公益的側面があり、その価値を維持し高めていくために継続的に公的な支援が必要である。しかし限りある財源から文化財の価値を維持するためには、文化財が持つ便益の種類や受益者を特定し、維持、保存することによって得られる便益を推測しながら、適切で持続的な支援のシステムの構築が不可欠である。 そしてそのためには文化財の価値の評価手法が重要となる。 本書では第一の目的として、文化財の市場に現れない価値をはかるために、文化財保護の受益者とその便益の規模をできるだけ客観的に定量的に推定してゆく。 第二の目的として、地域作りと文化財保護の新たな関係性を焦点にあてる。町並み、歴史的建造物、伝統工芸品、舞台芸術など、多様な文化財を単に支援を受ける一方的なものととらえず、地域づくりに活用するための前提として人々が何を求めているのか実態に迫る。 第三の目的として、文化財のより持続的な保護のあり方と市場からの資源の調達の可能性について考察し、できれば制度論につなげてゆこうというものである。 本書は8年をかけ調査・検討を試み、事例研究をまとめたものであり、文化財保護に関わる実務者、研究者、自治体関係者必読の1冊です。 第一章 文化財保護と地域づくり 第二章 富山県五箇山CVM調査から 第三章 広島県宮島 第四章 岐阜県高山市の文化的景観 第五章 滋賀県長浜市コンジョイント分析から 第六章 総括
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