黎明(上巻)

葦原瑞穂

2001年5月31日

太陽出版(文京区)

2,860円(税込)

人文・思想・社会

地球変容の時期に放たれた一条の真理の光が私たちの深層に眠る叡智を呼び覚ます…。

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魂の求道『黎明』

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3.9 2018年12月20日

# 飽き性で、集中力が長続きしない私の本の読み方は、複数の本を同時並列的に短時間ずつ読むことだ。 具体的には1日に5、6冊(あくる日には別の本を同様に)を各10分前後で読む。 頭がこんがらないのかと思われるかもしれないが、そんなことはない。 テレビと同じように考えると分かって頂けるだろう。 したがって、1冊の本を読み終えるまでに、本の難易度の違いもあるがかなりの日数を要する。 でも愉しい。 そのような読み方をするまでは、途中で放り出した本が何冊もあったが、今はなくなった。 わずかばかりの時間だと思えるから、躊躇することなく読み始めることが出来、その本の世界に入っていける。 この10分程で読めるページ数は、今の私の読み方では、前知識のストックがある本の内容なら10数ページ、難しい本なら2ページ迄と決めている。 昨夜、ようやく読み終えた後者の本が今回紹介する『黎明 上巻』である。 何と、1年と1ヶ月以上も掛けてしまい、流石にこれでは本の内容が頭の中、混濁状態になってる。 重要だと思われる箇所は付箋を貼り書き込みもしているから、それを標にここで整理し、若干の感想を書き残しておきたい。 と言っても、この本は安易に語れる本ではなく、精神世界をただ書き表しただけのものでもない。 あまりに深遠すぎて、どこをどう取り上げたら内容を少しでも伝えられるかも怪しい。 冒頭の美しい詩により、イメージが伝わってくるだろうか。 ここまで俯瞰的世界観を示した本は他に出会ったことがない。 売らんがための軽率な著作ではない。 隠れた名著。 いつか多くの人に発見されて、その洞察の深さと美しい日本語が駆使された文面に驚嘆する日が来ることだろう。 夜明けを意味する「黎明」は、人類意識が自我意識から普遍意識へと進化を遂げる時期を指す。 それは意識の進化、浄化であり、魂が次のステップに上昇するプロセスになる。 その元々変わることなく常在している最高の意識、すなわち普遍意識は「愛」の根源の宇宙意識のこと。 この意識との分離感を外し、その懐にあることに気づくのが重要である。 この世界を創出するのも観察するのも普遍意識である私たちだという。 ということは、この世は目に見えるようにしてあるのではなく、意識を通して創り出されているということになる。 広範囲に渡る著者の知識のごく一部である神智学をそうして取り上げ、この宇宙という現象界とは次元を異にする霊界・意識界について、浅学の身には難解な内容でも、文面から波動として伝わってくるように極力分かりやすく記されてある。 他にも物理学、霊的知識、サイキックやスピリチュアルヒーリングまで、それらを取り上げたそれぞれの本を別々に1から習得しなくても、この1冊でほぼ全体を網羅されている感がする。 直向きな思いで真理を追い求める人には格好の名著となるであろう。 決して気楽に読める本ではないが、それだけに内容が濃く、味わい深く、何度も読み直せる生命の探求者の道標となっている。

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