渡辺てる子の放浪記

もう悔しくて悲しくて、怒ってんだ私は!

林 克明

2021年11月1日

同時代社

1,100円(税込)

人文・思想・社会

「自分にとって必要のない命は軽いんで、ホームレスの命はどうでもいい」 この人気ユーチューバーの差別発言に、いち早く反応した、政治家・渡辺てる子。 ホームレスを経験、その後シングルマザーとなり、アルバイト、派遣労働など、職を点々としながら生き抜いた自身の経験から、この発言の問題点を衝く! 「差別はひどいよね、でも私は違う」で終わらせない、いまこの場所から、貧困や差別の当事者が、現実追認を排して行動するときがきた。 合理主義から心へ、競争から相互扶助へ、心理学から社会学へ、内から外へ。渡辺てる子の魂の叫びを追う!   はじめにーー魂の叫び 第一章 ホームレス放浪記    ◇運命の出会い    ◇奇妙な駆け落ち    ◇働いてお金を稼ぎたい!    ◇ある夜の出来事 ゴールのないマラソン    ◇新しい生命の誕生    ◇赤ん坊を守ること、親子三人同時に死ぬこと    ◇長距離トラックの運転手「一緒に飯でも食おうや」 第二章 シングルマザーの放浪    ◇五年ぶりの東京    ◇てる子は騙されていた    ◇母子家庭のはじまり    ◇働く喜び 生命保険の営業    ◇背中に走る激痛で一ヵ月入院    ◇阪神淡路大震災後のレポート    ◇四〇歳過ぎて派遣労働者になる    ◇職場で倒れ救急搬送「あなたの健康管理が悪い」    ◇二時間早く出社し早朝勉強    ◇政治家への「前史」労働者派遣法改悪反対運動    ◇れいわ新選組から誕生した「てるちゃん」    ◇もしかしたら世の中が変わるかもしれない 第三章 社会の現実 DaiGo差別発言を考える    ◇大貧困化時代の「酸素吸入」と「輸血」    ◇「野良猫とホームレスを同列に扱うのは猫に失礼」とDaiGo  ●渡辺てる子講演録    ◇誰が悪いかではなく何が問題か    ◇差別と排除の残酷性    ◇露悪的な本音が受ける社会の危機    ◇私ですらホームレスを差別する気持ちがある    ◇居場所がない人々    ◇食べ物を買うお金くれませんかーー新宿の街で 第四章 現実を直視した後に希望が見える    ◇一九九〇年代後半から始まった排除アート    ◇矛盾に満ちた現状を無批判に容認    ◇DaiGoファンの心のうち 成功者と自己一体化    ◇自己啓発本ばかり売れる社会の病巣    ◇社会性がなく「自分だけ」の自己啓発本    ◇誰でもがDaiGoに成り代わる危険性    ◇ウィークネス・フォビア(弱者嫌悪)という歪み  おわりにーー声を上げられない人々の声・生き方・苦しみを聞きたい

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