もはやSFではない無人機とロボット兵器

エコ軍備の最前線

兵頭二十八

2009年12月31日

並木書房

1,650円(税込)

科学・技術

米軍の「ロボット化」はおそるべき勢いで進展中だ。各種航空機の無乗員化に続いて、補給用トラックの無人運転もまもなく始まる。米国の車両技術はもはやビッグ3ではなくて、大小の軍需企業が建て直しつつあるのだ。こうした戦場ロボットのノウハウが民間利用されると、日本のメーカーは多額のソフト使用料を、米国の軍需企業に支払わなければならなくなる。しかるに日本の政治家、官僚、マスコミ、軍事オタクには、この危機感がまったく無い。日本はすでに諸外国のロボット兵器開発からトラック何周分も遅れている。その最先端事情を手際よく紹介し、警鐘を乱打する。あわせて米軍が本気で「省エネ」に取り組み始めていることについても、読者の注意を促す。戦前の「航空用ディーゼル・エンジン」の歴史を振り返り、地上用ロボット兵器の心臓として「ミニ・ディーゼル」がブレークした場合に、この分野を軽視してきた日本メーカーは、モノづくりでも敗退する畏れがあることを、本書は警告する。

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