海のアジア史

諸文明の「世界=経済」

小林多加士

1997年1月31日

藤原書店

3,960円(税込)

人文・思想・社会

アジアといえば、大陸の農耕社会、停滞社会というイメージがこれまで強かった。しかし、アジアの風土には陸の生活ばかりでなく、河川や海洋の生活もある。当然、交易も生活の一部だった。それらすべての社会生活を考察し、アジア史を全体として描きだすためには、ブローデルの「世界=経済」の概念が必要となる。それによって、アジアの諸文明が世界史の全体の動きのなかで、陸のアジアから海のアジアへと展開してきた、その歴史性が明確になるだろう。本書は、このブローデルの視座に立ち、古代オリエントから現代のNIESまでの6000年、地中海から日本海までの17000キロを、一挙に描いた初の試みである。

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