大君の刀
ブリュネが持ち帰った日本刀の謎
道新選書
合田一道
2007年2月28日
北海道新聞社
1,430円(税込)
人文・思想・社会
榎本武揚とともに箱館戦争を戦ったフランス軍人ブリュネ中尉。パリ郊外の末裔宅に現存する「タイクン拝領の刀」。タイクンとは十五代将軍・徳川慶喜を指す。ブリュネはいつ、どこで、刀を手渡されたのか。動乱の幕末維新期の情勢を描きながら、その謎に迫る。
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starstarstar 3.0 2021年07月10日
ブリュネ家には三振りの刀が残されている(大刀、脇差、短刀)が、このうちの一つは大君(徳川慶喜公)より賜った物だという。このうちどれが大君から拝領したもので、またいつどこで下賜されたのか、という問いを出発点に来日の頃から箱館戦争、フランス帰国後までのブリュネの軌跡を丹念に辿っている。 新選組や戊辰戦争関連の書籍でもフランス軍事顧問団については、わりとさらりとかるく触れられているだけで、あまり俎上に載せられることもなかったので、こういった本の存在はそれだけで実にありがたい。堺事件や、イタリア公使館で開かれた仮装舞踏会のエピソードなど知らないことも多かった。 文章はジャーナリスティックなものなので読みやすいが、逆に言うと少々無味乾燥ともいえる。フランス語の固有名のカタカナ読みにちょっとだけ問題がある。 ブリュネは本当に絵の上手な人(画家並み)なので、それを眺めるだけでも一読に値すると思う。
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ブリュネ家には三振りの刀が残されている(大刀、脇差、短刀)が、このうちの一つは大君(徳川慶喜公)より賜った物だという。このうちどれが大君から拝領したもので、またいつどこで下賜されたのか、という問いを出発点に来日の頃から箱館戦争、フランス帰国後までのブリュネの軌跡を丹念に辿っている。 新選組や戊辰戦争関連の書籍でもフランス軍事顧問団については、わりとさらりとかるく触れられているだけで、あまり俎上に載せられることもなかったので、こういった本の存在はそれだけで実にありがたい。堺事件や、イタリア公使館で開かれた仮装舞踏会のエピソードなど知らないことも多かった。 文章はジャーナリスティックなものなので読みやすいが、逆に言うと少々無味乾燥ともいえる。フランス語の固有名のカタカナ読みにちょっとだけ問題がある。 ブリュネは本当に絵の上手な人(画家並み)なので、それを眺めるだけでも一読に値すると思う。
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