フランス人の幕末維新

有隣新書

マルキ・ド・モ-ジュ / 市川慎一

1996年6月8日

有隣堂

1,046円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

1860年、パリで創刊された旅行専門誌『世界周遊』は、肩のこらない読み物に一流画家による挿絵をふんだんに織り込んで、未知の世界に対する読者の興味をひきつけた。鎖国というベールを脱いだばかりの極東の島国に対する関心はことに強く、日仏修好通商条約全権団に随行して江戸に入ったモージュ侯爵の印象記をいちはやく掲載している。本書は、このほかに、いずれもフランス海軍士官の手になる冒険譚を「箱館戦争生き残りの記」「明治七年の富士山登山」と題して訳出し、幕末維新期の日仏の意外な出会いにスポットをあてる。

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Readeeユーザー

(無題)

starstarstar 3.0 2021年11月20日

『世界周遊』(Le Tour du Monde)という紀行雑誌に掲載された三編の紀行文の翻訳と解説。このうちアルフレッド・ウエット(Alfred Houette)の筆になる最後の「富士山登攀記」("Une Ascension au Fujiyama")は興味がないので飛ばして読む。フランス人視点からの幕末維新なのですが、こういった視座に関心をお持ちの方にはなかなか興味深いかと思います。解説がわりとよく出来ている(が、間違いもあるように思われる(追記:2011/02/24))。 ド・モージュ(M. de Moges)「日仏修好通商条約 全権団随行員の日本観」("Voyage en Chine et au Japon, 1857-1858"): 日仏修好通商条約調印のため来日した使節団の随員の一人ド・モージュ侯爵による日本の印象。全権大使はグロ男爵。日本の風習などを中国と比較し云々している。 ウージェーヌ・コラッシュ(Eug?ne Collache) 「箱館戦争生き残りの記」("Une Aventure au Japon") 宮古湾海戦にも参加したコラッシュの手記なのだが、この海戦の描写はどうも疑問に思うことが多い。コラッシュが勘違いをしているのか、それとも訳に問題があるのか……。一例をあげると、「回天」がアボルダージュを行わずさっさと逃亡してしまったかのように書かれている。また各艦に乗り組んでいた人物についてもどうも史実と違うという気がする。記述は全体に宮古湾海戦よりも、むしろその後の逃亡劇と虜囚生活のほうが主。原文と比較したほうがよさそう。

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あめさと

(無題)

starstarstar 3.0 2021年07月10日

『世界周遊』(Le Tour du Monde)という紀行雑誌に掲載された三編の紀行文の翻訳と解説。このうちアルフレッド・ウエット(Alfred Houette)の筆になる最後の「富士山登攀記」("Une Ascension au Fujiyama")は興味がないので飛ばして読む。フランス人視点からの幕末維新なのですが、こういった視座に関心をお持ちの方にはなかなか興味深いかと思います。解説がわりとよく出来ている(が、間違いもあるように思われる(追記:2011/02/24))。 ド・モージュ(M. de Moges)「日仏修好通商条約 全権団随行員の日本観」("Voyage en Chine et au Japon, 1857-1858"): 日仏修好通商条約調印のため来日した使節団の随員の一人ド・モージュ侯爵による日本の印象。全権大使はグロ男爵。日本の風習などを中国と比較し云々している。 ウージェーヌ・コラッシュ(Eug?ne Collache) 「箱館戦争生き残りの記」("Une Aventure au Japon") 宮古湾海戦にも参加したコラッシュの手記なのだが、この海戦の描写はどうも疑問に思うことが多い。コラッシュが勘違いをしているのか、それとも訳に問題があるのか……。一例をあげると、「回天」がアボルダージュを行わずさっさと逃亡してしまったかのように書かれている。また各艦に乗り組んでいた人物についてもどうも史実と違うという気がする。記述は全体に宮古湾海戦よりも、むしろその後の逃亡劇と虜囚生活のほうが主。原文と比較したほうがよさそう。

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