「贈与論」の思想

マルセル・モースと〈混ざりあい〉の倫理

森山工

2022年11月21日

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3,850円(税込)

人文・思想・社会

「贈与」について考える際につねに参照され続けるマルセル・モースの『贈与論』。「贈与」「交換」「給付」について、民族学的・民族誌学的な観点から考察した『贈与論』は人類学・民族学の基本文献であるが、モースは、一方で、協同組合運動、とりわけ消費協同組合運動にコミットし、そこに精力を傾けた社会活動家でもあり、『贈与論』は西欧近代に対する社会批評を根底に据えた著作であった。本書は、モースと同時代の社会思想との影響関係を辿る第一部、『贈与論』というテクストそれ自体に孕まれた多様な論点を抽出しながらモース独自の思想を抽出する第二部からなり、最終的に外在的・内在的な読解を統合して、『贈与論』とマルセル・モースの思想を明らかにする。第一人者による類例のない待望の考察。 序  第一部 外から読む「贈与論」 第一章 社会・モース・社会主義 一 「社会的な共和国」と「社会主義」 二 「社会問題」、「社会経済」、「社会的連帯」 三 世紀転換点のマルセル・モース 四 モースと社会主義的行動 第二章 モース、ボリシェヴィズムと対峙する 一 社会主義とボリシェヴィズム 二 経済の組織化とボリシェヴィズム 三 暴力・法・ボリシェヴィズム 四 市民・民主・社会 第三章 モース、暴力にあらがう 一 モースと「暴力論」 二 ソレルと『暴力論』 三 ボリシェヴィズム・ファシズム・暴力 四 暴力にあらがい、力を支持する 第四章 「贈与論」の間テクスト的構成 一 国民と民主主義 二 国民から社会へ 三 法と社会的実践 四 〈政治〉と技法  第二部 内から読む「贈与論」 第五章 贈与・交換・聖物 一 「贈与論」における〈譲りえぬもの〉 二 交換と「動かない財」 三 贈与・交換・聖物 四 家産としての聖物 第六章 物の霊 一 「生地」に帰りたがる物 二 物の霊 三 類感呪術という内在論 四 物それ自体の力 第七章 「贈与論」における〈混ざりあい〉 一 全体論における〈混ざりあい〉 二 行為と規範における〈混ざりあい〉 三 物と人格との〈混ざりあい〉 四 内在論の理論的陥穽 第八章 〈混ざりあい〉の倫理へ 一 西欧近代と〈混ざりあい〉 二 関係論者モース 三 未分化性から分化へ 四 分化から未分化性へ 結 あとがき 参照文献 索引

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