思考力を鍛える50の哲学問題

A NOTEBOOK OF THE OGAWA P

小川仁志

2015年4月30日

教育評論社

1,650円(税込)

人文・思想・社会

なぜ人を殺してはいけないのか?なぜ年をとると1年が早く感じるのか?なぜあの人とは話が合わないのか?…あなたはいくつ答えられるか。はじめよう!思考のトレーニング。

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2019年12月05日

・03「いじめはなぜなくならないのか」ベンサム、功利主義、最大多数の最大幸福。 人間全員の快楽計算の総計を大きくする、つまり少数の犠牲のもと、大多数の幸福を実現せよという考え方。 群れ有利論的で好きになれないが、功利主義をぶっ壊すと、平等主義みたいになる。それも違う気がする。欲しいのは対等であって平等ではない。けれどこの対等も非常に都合のいいものである予感がする。 ・04「人はなぜ勉強するのか」ソクラテス、無知の知。 表面的な知識は何の役にも立たない。意味を考える勉強は面白い。知らないことに謙虚になる。 一概に感情のせいでそう言えないと言うのが反論であり悔しいところ。単位を落とされたとき、もっと勉強頑張ろうとは思えなかった。もっとも、最初から最小限の努力でクリアしようとしていたのもある。興味無かったし、4年間やって興味湧けなかったしね。 ・16「お金儲けは悪か」シンガー、効果的な利他主義。 人にご馳走するのは気持ちがいい。それは喜んでもらえるから。つまり喜んでもらえる数が多い方がいいことになるはずで、そのためにはたくさんの人にご馳走するだけの金がいる。効果的な利他主義とはそういうことだ。 奉仕精神を満足させるためには奉仕力が必要という話だと思う。豊かな人間が豊かになったのは不断の努力があったからであって、必ずしも奉仕精神を満たす前提が欲しかったからだとは言えない。あまり共感できない話である。もっとも、奉仕精神も奉仕力もないので無力ではあるが。 ・17「なぜ人は物事を疑えるのか」デカルト、方法論的懐疑。 徹底的に物事を疑い続けると、残るのは「疑うと言う行為をする自分の意識」だけ。つまりそれは絶対確実な起点であるということだ。言い換えると、世の中の常識を疑える人は、自分に自信のある人だ。 これには同意できる。たしかに新入生の後輩よりもその部活の雰囲気だったり、技だったり、意識が確かなものである先輩の方が、態度も大きく、実際の競技も強い。しかし、現状の空気を疑ってクーデターを起こしてしまうような後輩が入ってきたとき、意識の強さは逆転してしまう。 ・21「税金は泥棒か」ノージック、リバリタリアニズム、最小国家論、ティーパーティ。 国家を廃止しないまでも、その役割を国防や裁判、治安維持といった最小限にとどめようと言う主張。⇔リベラリズム、富の再配分 個人主義か全体主義かと言う話。極端な福祉国家には反対である。高校無償化も大学無償化も医療無償化も恩恵にあずかれなかった、遅えよ。今や学校で学べることは少ない。だからこそ皆塾に行くし、学外の活動が活発である。学校に行きやすくなる制度は悪手のように感じるが、お金持ちは学校が無償化されることで資源を別に回せると考えることもできる。尤も、お金持ちではないので賛成できないが。 ・22「近所づき合いは必要か」サンデル、コミュニタリアニズム、共同体主義。 位置ある自己ともいうべき自己と共同体との相互の関係性をもとに、道徳や共通善に関する議論を行う思想。 リバリタリアニズムに関連して、リベラリズムに似ていると思った。しかし、リベラリズムが最終的に個人に恩恵が行くものだと考えると、コミュニタリアニズムは最後まで共通善に向かうものである。こういうご近所付き合いが重荷に感じるのは共通善の問題を個人の物差しで測っているからである。イタリアンバイトもそうだ。店として奉仕したい彼らと、個人として「疲れた」と感じているバイトでは尺度が違う。 ・23「誰が世界を支配しているのか」ネグリ/ハート、実態のない〈帝国〉、グローバリゼーション、マルチチュード ○30「なぜあの人とは話が合わないのか」ウィトゲンシュタイン、言語ゲーム。 日常生活において交わされる言語を共通化させるのがコミュニケーションでそれがしやすい人としにくい人ーー好きな人と嫌いな人が区別される。 私はあまり気の合う人間が多くない。もちろん、私的言語がひどくローカルで分かりづらい部分もあると思う。加えて言語ルールを合わせないことが少なくない。コミュニケーションがうまい人間は相手に合わせてもらう能力、あるいは相手のルールを理解することができる理解力が優れているーー問題が簡単か、回答者が優秀か(、あるいはどちらもか)なのである。 ・31「なぜ子供は勉強しないのか」ハイデガー、根源的時間。 死を意識すれば本気で生きるようになる。その本気になった姿こそが本来の人間である。 まさしくその通りだと思う。「人生時間」なる寿命アプリを入れているが、制限時間が設けられるとゲームであれなんであれ焦るもの。どう生きるかの計画が急に鮮明になる。 ・44「本当に失敗は成功のもとなのか」デューイ、プラグマティズム。 結果がよければそれで正しいという考え方。いくら失敗しても、それを生かして、最後に成功すればいい。アメリカ的で楽観主義。偶然の産物であるイノベーションが起こりやすい理由。 結構出血ものの刺さる考え方。未だ、これが成功につながる、あるいはこれを成功の糧にできるとは思えない。ただ、物語も主題は結論にある。そう考えるとまず第一に考える必要があるのは、結論まで持っていくことなのかもしれない(もっとも、完成した駄作は取り返しがつかないため、改良もできないのだが)。 ・39マルクス

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