へんしん不要

餅井アンナ

2020年10月22日

タバブックス

1,540円(税込)

小説・エッセイ

心も体も防御力低め、四季折々の不調にやられ、挨拶代わりに「元気?」と聞かれるとちょっと困ってしまう。落ち込みがちな日々をつづり、宛先のない手紙を書き続けた二年間。書くことで見つけた、あたらしい景色と生きる自信。 「またいつか、お手紙出します。ままならないことばかりの日々はこれからも続くでしょうが、それまでどうぞご自愛ください。元気でいてもいなくても、なるべく気を楽にして、伸びやかに暮らしてください。へんしんは、不要です」 「元気?」と聞かれるとちょっと困る 就活を頑張るあの子は偉い、就活を頑張らなかった私も偉い 感情がでかすぎる ただ粛々と生きるのがどうしてこんなに難しいのか 「おいしい」と思うことの恥ずかしさについて 仕事は一日二時間にしました 「元気に」よりも「うまく」暮らしたい 何にもできない、何でもできる 現実は自分ひとりの手に余る きつい現実、つらい感情、しんどいSNSに倒れないために この夜をどうにかやり過ごすだけの「大丈夫」を ゲームの下手さは人生の下手さ 何度でも仕切り直せばいい ちょっとだけ欲が出てきた 春とは周回遅れくらいの距離感でいたい なんでもない日にホテルに泊まる 梅雨は自力では越せないから「せっかく」の波に乗る 静かな暮らしを求めて 「自分のことがどうでもよくなるムーブ」に押し流されない いつか私も天竺に行けますか つらいだけの秋じゃなかった 賽の河原で「調子」という名の石を積む 浅瀬に足をひたしてみる 自分ではない「誰か」になる力 追伸 自分の「庭」を持ち続けること

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