
みな、やっとの思いで坂をのぼる
水俣病患者相談のいま
永野 三智
2018年9月6日
ころから
1,980円(税込)
科学・技術
不知火海を見下ろす丘の上に水俣病センター相思社はある。 2004年の水俣病関西訴訟の勝訴にともない、「自分も水俣病ではないか」との不安を抱える数千の人たちが、いまも患者相談に訪れる。 著者は、相思社での患者相談などを担当する日常のなかで、自分の生まれ故郷でいまもタブーとされる水俣病事件の当事者たちと接するようになり、機関紙で「水俣病のいま」を伝えるための連載「患者相談雑感」を開始した。 本書は、本連載をもとに大幅に加筆して一冊にまとめた記録だ。 「やっと思いで語り出した人びとの声」がここにある。
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2018年発行
2018年発行。水俣病センター相思社常務理事の永野三智さんが、患者相談を担当する中で感じたことを中心に綴られています。近隣の人の多くが患者で、その愛情を受けて育った経験と、水俣の外で差別を受けて出身地を隠した経験を持つ、1980年代生まれの永野さんが、この立場で多くの言葉を受け取り、書籍にすることの意味は非常に大きいと思います。心身の痛みや生活苦を抱えながらたたかう患者に対して、最初は責任を認めず、後に形式的な救済策を出して「”もういいです”と言うのを県も国も待っている」というのは、そこにいる人はみんな痛感し、声にしていても、文字にして発信するところまではなかなかいかないのではないかと。永野さんが聞き取った様々な語りの中から、病気の発生が住民の間にも差別を生み、中途半端な施策が家族の中にさえ分断をもたらしていることが浮かび上がってきます。タイトルは、水俣病の患者相談について「軽い気持ちでという人はいない。みな、悩んで悩んで、やっとの思いで相思社までの長い坂をのぼる」というくだりから。
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