近代インドのエリートと民衆

民族主義・共産主義・非バラモン主義の競合

志賀 美和子

2018年12月20日

有志舎

8,360円(税込)

人文・思想・社会

1920年代初頭に開始された共産主義運動と非バラモン運動は、民族運動とともに民衆とエリートをつないでいった。また各運動間でも、民衆の支持をめぐって相互に競い合いつつ影響を与え合い、その中から民衆は自己の存在意義を自覚して自尊心を培い、エリートたちも民衆からの要求に応えうる新しい政策を作りだしていく。この相互浸透こそが、やがて国民会議派を変容させ、さらに戦後のインド型議会制民主主義を生み出す原動力となっていくのであった。複雑な地域性とカーストなどをもちながら、独自の民主主義国家となったインドの近代を、エリートと民衆との双方向的関係を通して描き出す。 サバルタン研究が曖昧なまま置き去りにしてしまった民衆を、新たな方法でとらえ直す野心的な試み。 序章 エリートと民衆ーーインド近代史研究における議論と問題点 第1部 エリートと民衆の出会い  第1章 民族主義と非バラモン主義  第2章 労働者の覚醒 第2部 エリートと民衆の交流  第3章 共産主義の流入と受容  第4章 秘密組織と合法的大衆組織  第5章 混乱の時代ーー共産主義勢力の分裂  第6章 中央から地方へーー行動プログラム決定権の移動と現実路線の確立  第7章 労働者リーダーの誕生 第3部 エリートと自立にむかう民衆  第8章 マドラス州会議派政権の誕生  第9章 労働者の自立と会議派の変質 終章 「周縁」から見るインド史の構築にむけて

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